インバウンド客も仰天!肉・海鮮料理・絶品スイーツ…「長距離フェリー」は「グルメの宝箱」だった!

AI要約

長距離フェリーは豊富な船室バリエーションや充実した食事が魅力で、移動手段として選ばれる人が増えている。

フェリーのレストランではミシュラン一つ星獲得の名店などからインスパイアされた料理や地元のご当地グルメが楽しめる。

また、フェリーのレストランでは定番のフェリーカレーも人気があり、船員のまかない料理も美味しいと評判だ。

インバウンド客も仰天!肉・海鮮料理・絶品スイーツ…「長距離フェリー」は「グルメの宝箱」だった!

「日本長距離フェリー協会」によると、同協会に加盟する長距離フェリー(300km以上)は15航路あり、最長の「太平洋フェリー 」だと距離にして1330km。鉄道なら9時間弱、飛行機だと2時間足らずで移動できる苫小牧港~仙台港~名古屋港を、約40時間をかけてゆっくり進む。そして近年、長距離フェリーをあえて移動手段として選ぶ人々が増えているという。

豪華なスイートからリーズナブルな個室まで、船室のバリエーションが豊かなフェリー移動のメリットについて紹介した前編記事『新幹線・飛行機より「超ゆっくり」「電波も繋がりづらい」のに…いま「長距離フェリー」がインバウンド客に「大ウケ」の理由』につづき、その魅力をさらに紹介する。

長距離フェリーは数十時間も海上で過ごすため、食事の充実は、そのまま船旅の満足度にも直結する。各社の船内レストランの絶品メニューやサービスは、「絶対に満足させる!」という、フェリー各社のプライドでもあるのだ。

好きなメニューを好きなだけ取れるバイキング形式だと、2023年に就航したばかりの「さんふらわあ くれない・むらさき」(大阪南港~別府港)レストランの充実ぶりに驚かされる。

夕食時のバイキングでは、ミシュラン一つ星獲得の名店「アニエルドール」監修で開発した「さんふらわあ手ごねハンバーグ」をはじめとして、提供するメニューは約30種類もあるという。

また、フェリーが発着する各地のご当地グルメにもこだわりがあるようで、筆者が見た範囲でも、大分県の「鶏天」「りゅうきゅう」、神戸の「ぼっかけ焼きそば」。中には、香川県の「名店「一福」のだしを使ったさぬきうどん」など、近くの海を通るものの寄港しないご当地グルメまで味わえたりする。

さらに夏休みシーズンには、「色とりどりのプチケーキ取り放題」「チョコフォンデュ」など、「子どもを絶対に楽しませるぞ!」という仕掛けが見られることも。関西~九州航路は他社との競争もあるせいか、別府・大分・志布志航路の「さんふらわあ」各レストランの創意工夫ぶりは、いつ乗船しても驚くばかりだ。

また、ビュッフェ形式をとる「阪九フェリー」(神戸港・泉大津港~新門司港)のレストランは、新鮮な魚を使った一品メニューへのこだわりが凄い。

フェリーが発着する「新門司港」は関門海峡・響灘といった好漁場に近く、かつ複数の高速道路を経由して、宮崎からは「黒瀬ぶり」熊本からは「みやび鯛」などのブランド高級魚も手に入りやすい。こうして入荷した新鮮な魚を、船内で素材から丁寧に調理するそうだ。

ショーケースをよく見ると、日によっては刺身の近くには焼き魚、かぶと煮(頭)、あら煮などがズラリと……日本料理の中でもインバウンド人気が高い「魚料理」をバリエーションも豊かに、文字通り骨の髄まで味わえるのだ。

ただし、各社とも日によってメニューが相当変わったり、看板商品が売り切れている時もある。そんな時こそ、定番の「フェリーのカレー」を頼みたい。

各社ともまかない(船員の食事)で良く出されるせいか、各社とも不思議なほどに美味しく、特に太平洋フェリーの「まかないカレー」、さんふらわあ各航路の「さんふらわあカレー」は、何度でも食べたい逸品だ。