スペインの教会でまた修復失敗…変わり果てた天使像に修復技師協会会長「歴史遺産に対するテロ行為」

AI要約

スペインのマドリードの北東、ソリアにあるヌエストラ・セニョーラ・デル・ミロ教会で、修復が行われたが、その出来に多くの批判が寄せられ、教会は一時閉鎖されることになった。

修復されたバロック様式の教会は、元の姿からは大きく変わり、文化遺産保護団体やスペイン修復技師協会からも非難されている。

スペインでは過去にも修復によって元の美しさから逸脱した例があり、歴史遺産への改変に対する議論が続いている。

スペインの教会でまた修復失敗…変わり果てた天使像に修復技師協会会長「歴史遺産に対するテロ行為」

 スペインのマドリードの北東、ソリアにあるヌエストラ・セニョーラ・デル・ミロ教会で、大規模な修復が行われたが、あまりの出来に各方面から避難の声が上がり、教会は解決策が見つかるまで閉鎖されることになった。

 バロック様式のその教会は1725年に建設されたもの。ソリアの文化遺産保護団体はX(旧ツイッター)で、修復のビフォー&アフター、真っ赤な唇&太い眉の姿と変わり果てた天使象の写真を投稿し「なんてことをしてくれたんだ!」「修復とは言えない」と非難している。

 スペイン修復技師協会のフランシスコ・マヌエル・エスペッホ会長も「これは修復ではなく歴史遺産に対するテロ行為だ」と語っている。

 スペインでは、10年以降修復によって、元の姿から“改変”される事象が度々起こっており、12年にサラゴサのボルハの教会でキリストのフレスコ画が、素人が修復した結果「サルのキリスト」と呼ばれるようになってしまったほど大失敗したことがあった。また、彫刻でも20年にパレンシアの銀行で1923年製作の彫像の顔が、映画「トイ・ストーリー」のキャラとしても知られる「ミスター・ポテトヘッド」に似るという事態となってしまったこともあった。