「戦争ない社会作って」 82歳、惨禍知る被爆電車内で子どもらへ

AI要約

広島で原爆被害に遭った後、修理を経て運行を続ける広島電鉄の「被爆電車」の車内で、被爆者の証言を聞く学習会が開催された。参加者は約100人で、被爆者の西田吾郎さんが自らの体験を語り、戦争のない社会の実現を訴えた。

西田さんは3歳の時に広島で被爆し、爆心地から2・5キロ地点の自宅前で体験。友達2人と共に大きな被害を受け、その後も傷痕が残るほどの被害を被った。核兵器廃絶への訴えを行った。

学生たちは被爆の恐ろしさを改めて認識し、戦争のない世界を望む声が上がった。過去の被害から学び、未来への希望を抱く姿が見られた。

「戦争ない社会作って」 82歳、惨禍知る被爆電車内で子どもらへ

 広島で原爆被害に遭った後、修理を経て運行を続ける広島電鉄の「被爆電車」の車内で4日、被爆者の証言を聞く学習会があり、小中学生や保護者ら約100人が参加した。西田吾郎さん(82)=広島市南区=は79年前の体験を語り「原爆の恐ろしさを知って、戦争のない社会を作ってほしい」と呼びかけた。

 西田さんは当時3歳で、爆心地から約2・5キロ地点の広島市三滝町(現・同市西区三滝町)の自宅前で被爆。原爆投下直後、空が白くなり、子ども心に「何か大変なことが起こった」と感じたという。一緒に遊んでいた友達2人は背中に大やけどを負い、うち1人はその日の晩に亡くなった。西田さんは今も残るひじの傷痕を見せ、「こんなことは二度と起きてほしくない。核兵器をなくしてほしい」と訴えた。

 祖母が長崎で被爆したという広島市立竹屋小5年、横田瀬成(せな)さん(10)は「今日の話を聞き、原爆の怖さがよく分かった」と語った。同市立梅林小4年、丸山そよ香さん(10)は「多くの人が犠牲になるので、世界で戦争をしてほしくない」と話した。【広瀬晃子】