小学生が生成AIをツールとして活用――学びの充実につなげる狙いは

AI要約

千葉県・印西市立原山小学校では、小学校6年生が生成AIの特性や使い方を実践的に学んでいます。

児童生徒向けの生成AIの授業を受け、グループワークで生成AIを活用しながら自分たちの主張を構築しています。

生成AIの利用については懸念もあるが、学校では適切な管理と活用を促しています。

小学生が生成AIをツールとして活用――学びの充実につなげる狙いは

質問などを入力すると瞬時に回答を自動生成してくれる生成AI。社会での利用が急速に普及する中、小学校でも生成AIの性質や活用法などについて積極的に教え、学びに役立てようとする動きが広がっています。

千葉県・印西市立原山小学校では小学校6年生が生成AIを自分たちで使いながら、その特性や使う時の注意点について、実践的に学んでいます。

この学校は文部科学省の授業時数特例校の指定を受けていて、2023度から「みんなのコード」という児童生徒向けの生成AIの提供など行っている団体と連携し、高学年の児童を対象に、生成AIの特性や使う時の注意点などについての授業を行っています。

この日行われた授業では、グループに分かれ、「学校の昼食は給食と弁当どちらがいいか」というテーマで、生成AIを活用し、相手を説得する文章を作るという課題が出されました。

▼課題の条件

・制限時間20分

・生成AIを活用し、自分たちの主張を添削してもらうこと・主張を裏付けるデータをつけること

あるグループでは、「給食」のメリットについて「親の負担の軽減」や「栄養バランスの確保」などと全員で意見を出し合ったあと、意見をまとめて、AIに添削してもらう係と、裏付けのデータをネット検索する係に分かれ、より説得力のある文章を作成していました。

グループワークの振り返りでは、「グループでまとめた意見をAIに聞くと、ほかの色々な意見も出てきてまとめづらかった」といった意見や「生成AIの回答と、ウェブ検索で調べたことで、どっちが正確かなど比較した」など、生成AIの使い方の工夫や、難しかった点について共有していました。

生成AIの利用については、個人情報の漏えいや危険な質問をするリスクなどが指摘されていますが、この小学校で使われている生成AIは、入力した対話ログを先生が確認できる機能があるほか、対話内容がAIの学習データに利用されないシステムになっているといいます。

現在の6年生は、去年から生成AIの特性について学んでいることから、学校は6年生に対し、このAIを授業や家庭で自由に使ってよいと許可しています。

生成AIの利用については、生成された答えをうのみにするなど、思考力や創造性の低下が懸念されていますが、日常的に生成AIを使っている児童からは「授業や自分の勉強に生かすためにAIを活用することが重要」という声があがっていました。