マネロン事件でトップら再逮捕 浮かび上がる構造、資金洗浄組織「まるで会社」

AI要約

大阪府警が犯罪収益のマネーロンダリンググループを摘発し、主犯格とされる2人を再逮捕。

グループはペーパー会社を設立し、900万円以上の賭け金を資金洗浄したとしている。

グループの実態や役割分担が明らかになり、警察は関連者の逮捕に向けて捜査を進めている。

マネロン事件でトップら再逮捕 浮かび上がる構造、資金洗浄組織「まるで会社」

犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)を大規模に請け負っていたグループが摘発された事件で、大阪府警は1日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの容疑で、主犯格とみられるいずれも住所・職業不詳の石川宗太郎(35)、山田浩輔(39)の両容疑者を再逮捕した。逮捕は3回目。

逮捕容疑は共謀し令和3年9月~昨年5月、富山県内の40代女性にペーパー会社を設立させ、法人口座を不正に開設。インターネット上で賭けマージャンをする日本人向けの会員制サイト「DORA麻雀」の賭け金などをこの口座にいったん入金した上で、最終的に約700万円を別の法人口座に移し、資金洗浄したとしている。

グループは収納代行業「リバトングループ」を自称。4千以上の口座を管理し、少なくとも約700億円の入金があった。府警はほかに主犯格とみられる池田隆雅容疑者(38)も公開手配し、行方を追っている。

■3つの役割分担、担当替えや給料制も

投資詐欺など複数の犯罪集団から依頼を受け、大規模なマネロンを行っていた組織の実態が、大阪府警の捜査で徐々に浮かび上がってきた。

自称「リバトングループ」の規模は40~50人程度。石川宗太郎容疑者を頂点に、山田浩輔、池田隆雅の両容疑者で首脳陣を構成。その下で大和隆生(40)、藤井亮平(41)、筑井宏之(36)の3被告=いずれも組織犯罪処罰法違反罪などで起訴=が中心となって、資金洗浄の業務を担っていた。

主な業務は、口座をデータ管理するための仕組みをつくる「システム管理担当」▽幹部から指示された通りに口座間で資金を移動させる「送金管理担当」▽ペーパー会社の設立や口座開設のサポート、金融機関などからの問い合わせに対応する「法人管理・案件管理担当」―の3つ。

口座残高に応じて自動的に資金を移動させたり、一定の時間や金額に応じて口座残高が送金担当者に通知される仕組みを導入。幹部メンバーの役割分担を設け、システム管理は大和被告、送金管理は藤井被告、法人・案件管理は筑井被告が責任者になっていたとみられる。

グループはペーパー会社を設立する末端の協力者を交流サイト(SNS)を通じて募る一方、マネロンの実務を担うメンバーらは、かつての職場の同僚や、同じ地元など接点のある人物を勧誘して、組織基盤を固めていた。