岸田首相「金メダル電話」も支持率“無風”対抗馬・石破茂氏の煮え切らぬ態度に自民党内でつのる“イライラ”

AI要約

岸田首相が柔道女子48kg級の角田選手に金メダルの祝福電話をかける。

内閣支持率低迷で岸田首相の人気回復には不透明な状況。

自民党総裁選で対抗馬が勢いを増してこず、石破氏の出馬姿勢に不満が広がる。

岸田首相「金メダル電話」も支持率“無風”対抗馬・石破茂氏の煮え切らぬ態度に自民党内でつのる“イライラ”

「角田(つのだ)選手、おめでとうございます。内閣総理大臣の岸田文雄です」

 7月28日午後9時すぎ、岸田文雄首相はパリ五輪で、日本選手団初の金メダルを獲得した、柔道女子48kg級の角田夏実選手に首相公邸から祝福の電話をかけた。

 首相官邸ホームページの「総理の一日」の欄には、「角田選手へのお祝いの電話」と題して、その詳細がアップされ、岸田首相が「世界の角田」「巴投げの角田」と、角田選手を激励する言葉が並んでいた。

 政治部デスクは「首相からメダリストへの電話は、恒例行事みたいなもの」として、こう続ける。

「2004年のアテネ五輪では、当時の小泉純一郎首相が金メダルを獲得した、柔道の谷亮子選手や野村忠信選手に祝福の電話をかけました。

 2018年の平昌冬季五輪でも、当時の安倍晋三首相が、連覇を達成したフィギアスケートの羽生結弦選手に電話しましたし、2021年の東京五輪では、菅義偉(よしひで)前首相が金メダル第1号の柔道・高藤直寿選手に、首相公邸から祝福の電話を入れました。

 こうしたお祝いムードの電話が、支持率上昇につながるかどうかは疑問ですが、少なくとも官邸は『やらないよりはやったほうがいい』と判断しているようです。ただ『政治利用だ』という批判が起こるのも、恒例行事ですけれど……」

 やはり、内閣支持率が発足以来最低の低空飛行を続ける状態とあって、Xでは岸田首相に対する批判ばかり聞こえてくる。

《オリンピックの政治利用。マジで気持ち悪い》

《こんなパフォーマンスで支持率回復すると本気で思ってる?》

《お祝いコールを受けた選手が自ら総理から電話もらったと明かすなら分かるが、総理自らが電話する姿を公開するのは人気に便乗する意図が見え見えで美しくないな》

 今回のパフォーマンスも、岸田首相の人気回復には無風で終わりそうだが、9月に控える自民党総裁選もまた、ある意味で“無風”に近い状況だ。

 その一因は、対抗馬が一向に勢いを増してこないからである。

「岸田首相本人は、再選について本当にあきらめていませんし、“ポスト岸田”と言われる総裁選候補予定者たちにも決定打がないことが、続投への望みをつなげてしまっています。

 ただ、再選するためには内閣支持率がいまのままでは説得力に欠けますから、金メダリストへの電話も喜んでかけるのは不思議ではないですよ」(同前)

 対抗馬の最右翼とみられている石破茂自民党元幹事長は、7月27日に鳥取県米子市でおこなわれた自民党鳥取県連の大会に会長として出席し、総裁選について、またも言及。「この国を鳥取県から変えるということをやってみたい」と、これまでよりも踏み込んだ発言をしたものの、正式な表明時期については「お盆が目途。(表明を)やるとしたら鳥取で」と、あらためて、正式表明は避けた。

 石破氏の煮えきらない態度に、自民党関係者は不満を隠せない様子だった。

「出馬する、と言うようで、正式には言わない。またか……という感じで、本当にイライラします。

 誰かに担がれるのをじっと待っているのではなく、自分がこうすると言って、自らが仲間を集めることができなければ、いまの人気薄の岸田さんにも勝てないでしょう」

 首相を決める“大事な一戦”が不戦敗になりそうとは、まさに地獄絵図としか思えない。