決算粉飾し、みずほ銀行から6億円詐取した疑い 商社元社長ら再逮捕
警視庁がベアリング商社「堀正工業」元社長ら3人を粉飾決算書による詐欺容疑で再逮捕。20年間に及ぶ粉飾が続いていたと見られる。
捜査によると、3人は融資金6億円をだまし取るため、見せかけの決算書を提出し、同様の手口で過去にも5億円を詐取していた。
逮捕の背後には、総務部長の実行と税理士の確認、複数の金融機関への巨額負債、だまし取った資金の高級車や別荘への投資がある。
粉飾した決算報告書を示して銀行から融資金6億円をだまし取ったとして、警視庁は26日、ベアリング商社「堀正工業」（東京都品川区、破産手続き中）の元社長、堀雅晴容疑者（69）=品川区=ら3人を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。警視庁は粉飾が約20年間続いていたとみて調べている。
他に再逮捕されたのは同社元総務部長の大熊重康（73）、同社元顧問税理士の山口賢一（74）の両容疑者=いずれも東京都板橋区。
捜査2課によると、3人は共謀して2022年11月～12月ごろ、同社の経営状況が良好であるように見せかけたうその決算書をみずほ銀行に提出し、同行から融資金6億円をだまし取った疑いがある。認否は明らかにしていない。
■ハワイやベトナムの別荘、ベンツ購入
警視庁は今年6月、22年11月～23年2月に同様の手口で三菱UFJ銀行から融資金5億円をだまし取ったとする詐欺容疑で3人を逮捕し、3人はその後に起訴されていた。
同課によると、堀容疑者の指示を受けて大熊容疑者が粉飾を実行し、金融機関との交渉窓口になっていた。山口容疑者が修正後の数字を確認していたという。
破産申立時は46社の金融機関に計約250億円の負債があったといい、同課が裏付けを進めている。だまし取った金は他行からの借入金の返済のほか、ハワイやベトナムなどにある10棟超の別荘や、ベンツなど高級車の購入にあてていたという。（福冨旅史、三井新）
