優勝パレード担当の元課長死亡、不正な資金集めで苦悩と訴える 兵庫知事パワハラ疑惑
兵庫県では知事のパワハラ疑惑と2人の職員の死に揺れており、元課長が亡くなった事例が注目を集めている。
元課長は阪神とオリックスの優勝パレードの担当で、苦労した経験が明らかにされている。
斎藤知事がパレード開催に際し職員の待遇について議論される中、過酷な勤務条件が浮かび上がってきている。
知事のパワハラ疑惑と2人の職員の死に揺れる兵庫県。亡くなった元課長は阪神とオリックスの優勝パレードの担当で、協賛金が思うように集まらず、肉体的にも精神的にも苦しんでいたとみられることが分かりました。
兵庫県 斎藤元彦知事(24日)
「ご家族のご意向ですね」
「遺族の意向」や「個人情報保護」を理由に3カ月公表されなかった兵庫県職員の2人目の死。兵庫県議のブログには、友人らから聞いた話として、亡くなった元課長について書かれています。
竹内英明兵庫県議ブログ(元課長の友人らの話)
「生まれ育った地に近い姫路で偉くならなくてもいいから、ずっとこのまま勤務したいと上司との面談でお話されていたそうです。『無理難題のたまが飛んできたとしても、かわせる能力があるはず』『そんな彼がどうやって追い込まれていったのか』そんな声も聞きました」
53歳の元課長は、去年11月に大阪府と兵庫県で同時開催され100万人が来場したプロ野球の阪神・オリックスの優勝パレードを担当していました。
このパレードを巡って話題となったのが、警備などを担当する職員の待遇についてです。
あくまでボランティアとして無給で職員を動員した大阪に対して、参加した職員を休日出勤の扱いにして株をあげたのが兵庫県の斎藤知事でした。
斎藤知事(去年11月)
「パレードを開催するにあたって、色んな安全対策をやっていくことが、公共上の合理性があるということで。今回、職員については公務として対応させていただいている」
ところが、その陰で起きていたことが今月7日に亡くなった元幹部職員が生前書き残した陳述書に書かれています。
亡くなった元幹部職員の陳述書
「パレードについては職員の苦労話が多く、その中の1つとして、『兵庫県の割り当て分の収入見込みが厳しい状況にあり、県内の頼みやすい企業へ協賛金を必死に依頼した』と県OB職員から聞きました」
当時、大阪・兵庫両府県でパレードの必要経費5億円をクラウドファンディングで募っていましたが、開始から3週間後には、わずか10分の1しか集まっていませんでした。
斎藤知事(去年11月)
「今時点でですね、5000万円ということで、ご協力をお願いしたいと考えています」
結局、企業からの協賛金などで開催に必要な経費を確保しました。
竹内兵庫県議ブログ(元課長の友人らの話)
「パレード終了後も協賛金集めや、その処理などの残務はあり、毎日終電のような勤務が続いていたとのことです」