家庭をモチーフにした作品披露 群馬交響楽団600回目の定期演奏会

AI要約

群馬交響楽団が600回目の定期演奏会を高崎芸術劇場で開催。常任指揮者が選んだR・シュトラウスの「家庭交響曲」がメイン。演奏会は80周年を記念し、県民との絆を表すメッセージが込められている。

「家庭交響曲」はシュトラウスの家族をモチーフに、一日の出来事を描く。夫婦のやり取りや子育ての姿が描かれるが、次第に混乱が巻き起こる展開が見どころ。

演奏会では他に、モーツァルトの曲や注目のバイオリニストのパフォーマンスも披露される。

家庭をモチーフにした作品披露 群馬交響楽団600回目の定期演奏会

 群馬交響楽団(群馬県高崎市)は27日、600回目を数える定期演奏会を高崎芸術劇場で開く。1946年に第1回を開催してから80年近く。記念すべき演奏会で、常任指揮者飯森範親マエストロが選んだ曲目のひとつが、R・シュトラウス「家庭交響曲」。作曲家自身の家庭をモチーフにした作品だ。飯森マエストロは「来年創立80周年を迎える群響は、県民の皆さんとひとつのファミリー、というメッセージを込めています」と話している。

 飯森マエストロが6月に高崎市役所で会見して、演奏会の曲目3作品について解説した。メインとなる「家庭交響曲」は、「シュトラウスと、妻のパウリーネ、息子のフランツが登場する。このファミリーの一日を描いている」という。

 フランツを寝かしつけた後、夫婦の交歓の様子、妻の悩みを聞く場面が描かれる。ところが、朝になりフランツが起きてくると状況は大きく転換する。「夜のシーンがうそのように、ハチャメチャな時間が始まる。フランツの教育方針をめぐって夫婦がけんかする」

 最後は、めでたしめでたしで終わる。「最後はド、ラ、ファで終わる。これは『ダス・イスト・シュトラウス』という意味です。これが我々、シュトラウス一家だよと」

 飯森マエストロは、この曲を選んだ理由について、こう話した。「色んな試みをしていく中で、紆余曲折(うよきょくせつ)もあるでしょうし、もしかしたら、わたしへの批判もあるでしょう。でも最終的には、これが、ダス・イスト・群響ということで、示したい」

 定期演奏会では、このほか、モーツァルト「6つのドイツ舞曲 K.600」、若手で注目されているバイオリニスト、マルク・ブシュコフを迎えてコルンゴルト「バイオリン協奏曲ニ長調」が披露される。(角津栄一)