ハリス氏の大統領選での発言を注視 政府、インド太平洋重視は「変わらず」の見方

AI要約

バイデン政権の外交路線を踏襲する見通しのハリス副大統領による米大統領選候補指名。日米関係強化を続けつつ、選挙戦での発言に注目

岸田首相との親交を深めるハリス氏。中国に対する一致した姿勢が明らかに

ハリス氏の中東情勢における姿勢には不透明感があり、今後の発言を見定める必要がある状況

ハリス氏の大統領選での発言を注視 政府、インド太平洋重視は「変わらず」の見方

米大統領選の民主党候補にハリス副大統領が指名される見通しとなったが、政府関係者はハリス氏がバイデン政権の外交路線を踏襲するとの見方を示す。インド太平洋地域を重視する米政権の方針が「大きく変わることはない」(外務省幹部)として、引き続き日米関係強化を進める立場だ。ただ、ハリス氏がトランプ前大統領と争う選挙戦で、どのような主張を発信するか注視している。

岸田文雄首相はハリス氏と複数回、会談している。4月に国賓待遇で訪米した際、ハリス氏ら主催の昼食会に出席。昨年9月にはジャカルタでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議で、ハリス氏とフィリピンのマルコス大統領と懇談。中国を念頭に「力による一方的な現状変更の試み」に連携対処することで一致した。

大統領選の決着まで3カ月以上を残す中、岸田首相らと親交を深めたハリス氏と「わざわざ関係づくりを進めることはしない」(外務省幹部)といった落ち着いた受け止めが政府内で大勢だ。一方、ハリス氏は中東情勢でパレスチナ寄りの姿勢を示したことがあるなど対外政策に不透明感もあり、選挙戦での今後の発言を見定めていく展開となりそうだ。(原川貴郎)