議会中スマホゲームの町議「家族の命脅かす」と辞職 「居眠りもいた」小学生の感想文が残したもの〈宮城〉

AI要約

小学生が議会でスマホゲームをしていた町議に感想文を書き、辞職に至った経緯。

議員の不適切な行動と辞職勧告決議の経過。

議員の行動に対する批判、辞職理由、議会への影響。

議会中スマホゲームの町議「家族の命脅かす」と辞職 「居眠りもいた」小学生の感想文が残したもの〈宮城〉

本会議中にスマートフォンでゲームをしていたと議会を見学していた小学生に感想文で指摘された宮城県大河原町の町議会議員が7月24日、辞職した。家族への脅迫があったことを理由に挙げ「議員は続けられない」と考えたという。町議会は同日、辞職勧告決議案を可決したが、反対意見では「居眠りを指摘された議員は処分されていない」ことも指摘された。国政への政治不信が深まる中、地方議員の資質も今問われている。

今年6月10日、大河原町議会の本会議を見学していた小学6年生の児童が机の下でスマホを操作している佐藤貴久町議を見つけた。このうち5人の児童が「町議がスマホでゲームをしていた」と感想文に書いたことから問題が発覚。新聞やテレビのニュースで伝えられると、大河原町議会は7月16日、全員協議会を開き、佐藤町議への辞職勧告決議案を採決する方針を固めた。

佐藤町議は仙台放送の取材に対し、小学生が感想文で指摘したような「ゲームをした記憶はない」と否定しつつも、指摘があったのならゲームをしていたのだと思うと話し、「議員としても社会人としてもモラルに反する行為で批判されて当然」と反省の姿勢を示していた。

一方で、進退を問う質問に対しては明言を避け、全員協議会でもはっきりと言及することはなかった。

7月24日、大河原町議会で開かれた辞職勧告決議案の採決。

「恥ずべき行為でいかなる理由があっても許されない」などと厳しい意見が述べられたが、反対意見として、佐藤町議だけに辞職を勧告するのは公平性を欠くという指摘もされた。

実は、感想文で指摘されたのはスマホでゲームをしていた佐藤町議だけではない。居眠りを指摘された町議もいたのだ。小学生が見たのは、議員がスマホゲームをし、眠りながらでも審議が進む議会の実態だった。

佐藤町議への辞職勧告決議案は賛成多数で可決され、議長は採決後に佐藤町議からも辞職願が出されたことを明らかにした。

佐藤町議は報道機関の取材に応じ「議員としてあるまじき行為だった」と改めて謝罪。問題発覚後に多くの批判を受けたが、後援会の励ましもあり、最後まで議員を続ける考えだったことを明かした。しかし、「我が家にかなり危険ととれる脅威が起こりました。それは家族や知人の生命を脅かすものです」(発言ママ)として、辞職に至った理由を説明した。

大河原町議会によると、この問題については議会事務局にも130件の電話やメールが寄せられ、「辞めろ」や「議長経験のある人がそういうことをよくできたものだ」という内容はあったが、生命を脅かすようなものはなかったという。

町をより良い方向に導くのが町議会の役割だ。

議会を見学した小学生は、スマホゲームや居眠りを指摘しただけではなく、議会の在り方そのものに疑問を持ったことを、すべての議員は忘れてはならない。