橋下徹が答えた、自民党政権にNGを突きつける「最も大きな理由」
自民党政権に対する肯定的な印象を持つ一方で、長期一党支配の異常さを指摘する橋下氏。政権交代の重要性と緊張感の必要性を強調し、今回の政治とカネの問題を取り上げる。
自民党の野党に下野した回数の少なさや与党と野党の結論が不動化する問題などを警鐘し、政治不信や国家運営の行き詰まりを懸念する。
政治に緊張感が必要であり、政権交代の仕組みを導入することで国会の生産性を向上させ、国民の信頼を取り戻すことが重要である。
黒船なき令和の日本で、革命なき安逸の日々のなかで、激烈な政権交代は起きるのか？
しかし、いま変わらなければ――かならず日本は、沈む！
百戦錬磨の戦略家、橋下徹(55歳)。時代を見定め、歴史を洞察し、日本人の本質を透徹した先に見えた悪魔的リアリズム、それが「政権変容論」だ。橋下氏は言う。
「『政権変容』が劇的に新しいのは、自民党がどうであろうと関係なく、野党が腹を括って決断しさえすれば次の総選挙で実現できるところです」
2024年の選挙から、グレートリセットは始まるのだ。
7月19日発売の最新刊『政権変容論』(講談社刊)から、特別に内容を抜粋してお届けしていこう。
『政権変容論』連載第6回
『橋下徹「『記載ミス』ではなく、『自民党の組織ぐるみの脱税行為』。開いた口が塞がらない」…野党は絶好のチャンスだが「冷静」になる必要性』より続く
―政権「変容」という新しい概念については、これから本書を通してご説明いただくとして、橋下さんご自身が現政権にNGを突き付ける最も大きな理由はなんですか。
基本的に自民党政権、わけても安倍政権に対しては肯定的だった印象があります。
橋下これまでの日本の政治は、おしなべてよくやってきたと思いますよ。「失われた30年」と言われ、経済の停滞が続きましたが、それでも失業率が跳ね上がることもなく、治安が大きく乱れることもない。
外交政策もまずまずです。もちろん改善すべき点は多々ありますが、基本的に自民党の政権運営に大きな異を唱えるつもりはありません。
ただし、ここまで長期にわたり一党支配が続くのは、やはり異常なんです。
橋本1955年の自民党結党以来、自民党が野党に下野したのは、わずか2回。欧米先進諸国を眺めても、そんな国は他に類を見ない。どれほど与党が活躍しようと、またどれほど野党が不甲斐なくても、ある程度の期間で政権交代がなされる仕組みがないと、政治に緊張感がなくなります。
政治に緊張感がなくなれば、結局、今回の政治とカネのような問題が起きるのです。
こうなれば国民の政治不信は止まらず、国民に負担を求めるないしはお願いをする政治がまったくできなくなって国家運営は行き詰まります。
「万年与党」と「万年野党」では与党の考える結論が不動のものとなり、国会中継を眺めても感じるように、国会が独善とヤジに二分して、生産性がまったくなくなってしまう。
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