「アイム・ノット・ギルティ」 少女を誘拐し、性的暴行を加えたとされる米兵の主張とは

AI要約

米空軍兵長が16歳未満の少女を誘拐し性的暴行を加えた罪状を全面的に否認。事件は沖縄で発覚し、在沖縄米兵による性的暴行事件が続発している。

被告は起訴内容を一切否定し、「無実」と主張。しかし、被害少女との性的行為は認めたものの、同意があったと主張している。

被告が被害少女の年齢をどのように認識していたかが争点となっており、法廷での真相究明が注目されている。

「アイム・ノット・ギルティ」 少女を誘拐し、性的暴行を加えたとされる米兵の主張とは

私は無罪だ-。16歳未満の少女を誘拐し性的暴行を加えたとして、不同意性交とわいせつ誘拐の罪に問われた米空軍兵長の被告が起訴内容を全面的に否認すると、法廷にざわめきが広がった。事件は6月に地元民放の報道で発覚。その後も別の在沖縄米兵による性的暴行事件が明らかになり、沖縄では県民の反発が高まっている。公判を通じ、事件の真相はどこまで解明されるのか。

■「年齢の認識」争点

今月12日、那覇地裁で開かれた初公判。米空軍嘉手納基地を拠点とする第18航空団に所属する米国籍のブレノン・ワシントン被告(25)は、長袖の白いワイシャツに黒っぽいズボン姿で出廷した。検察官が起訴状を読み上げる間、表情を崩さず、じっと聞き入っていたが、顔はやや紅潮しているように見えた。

起訴状によると、昨年12月24日、沖縄本島中部の公園で少女を自分の車に誘い、自宅まで誘拐。少女が16歳未満と知りながらわいせつな行為をしたとされる。

沖縄県警嘉手納署が今年3月11日に書類送検し、那覇地検が同27日に在宅起訴。日米地位協定に基づき身柄は日本側に引き渡されたが、後に保釈され、現在は米軍の管理下に置かれている。

罪状認否では英語で堂々と「アイム・ノット・ギルティ(私は無罪だ)」と述べ、「誘拐もしていなければ、レイプもしていない」と起訴内容を全面的に否認した。

特別背任などの罪で起訴され、中東レバノンに逃走中の日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(70)は5年前、東京地裁で行われた勾留理由開示の手続きで「アイ・アム・イノセント(私は無実だ)」と熱弁した。

一方、ワシントン被告は法的概念である「無罪」という言葉を使った。法廷の通訳人は「私は無実です」と訳したものの、両者のニュアンスは微妙に異なる。

ワシントン被告は被害少女への性的行為自体は認めている。ただ、被害少女と「同意」があったという主張だ。

もっとも、性犯罪規定を見直す改正刑法が昨年7月に施行され、性的行為への同意を自ら判断できるとみなす「性交同意年齢」は条件付きで13歳から16歳に引き上げられた。16歳未満の子供へのわいせつ行為は、同意があったとしても原則処罰の対象になる。

そこで問題となるのが、被告が被害少女を何歳と認識していたかという点だ。弁護側は、被告が少女に年齢確認を行い、「18歳と認識していた」と主張している。