九州「正論」懇話会第162回講演会 日本維新の会・馬場伸幸代表「国の根幹を固め直す」

AI要約

日本維新の会の馬場伸幸代表が、与野党のなれ合い政治を批判し、抜本改革が必要であると述べた。大阪での経験を交えながら、維新が果たすべき役割を語った。

維新は、大阪の経済状況が悪化していた中で誕生し、二重行政の問題に取り組んだ。身を切る改革を掲げ、市民の支持を得て、借金返済と新たな財源の創出を進めている。

維新の取り組みは成功を収め、教育の無償化などに積極的に投資している。府民に追加負担を求めずに改革を遂行している点が特筆される。

九州「正論」懇話会第162回講演会 日本維新の会・馬場伸幸代表「国の根幹を固め直す」

11日に福岡市の西鉄グランドホテルで開かれた九州「正論」懇話会第162回講演会。日本維新の会の馬場伸幸代表が「日本維新の会が描く日本の未来」と題して講演した。馬場氏は与野党のなれ合い政治が日本の停滞を招いているとし、「今、日本のすべての分野を見直す抜本改革が求められている。変えるべきは変え、守るべきものは守る。国の根幹をもう一度、固め直す役割を維新が担いたい」と述べた。詳細な内容は以下の通り。

まずは日本維新の会の生い立ち、考え方などを説明していきたい。われわれの原点は平成20年1月に大阪府知事に初当選した維新創設者の橋下徹元府知事にある。当時の大阪の経済状況は非常に悪かった。また大阪府と大阪市は「府」と「市」を合わせて「ふしあわせ」といわれるほど仲が悪かった。府がハコモノを作れば市も同じものを、市が新しいサービスを始めれば府もまねる。二重行政の弊害があちらこちらで表面化し、バブル崩壊後は維持コストで赤字が増幅していく悪循環だった。

こうした中で、大阪府庁の移転問題が浮上した。「府が市所有のビルを買い取り、庁舎として使う」と当時の大阪市長と合意した。そのための条例を制定する必要があり、府議会での喧々諤々の議論の末、条例案はまとまり、本会議での採決となった。当初、賛成多数で可決する見通しだったが、実際はベテラン府議の造反で否決された。

条例案を取りまとめた当時の自民党府議団政調会長だった松井一郎前代表が失意の下に議場を出ようとすると、ベテラン府議が「松井君、これがホンマの政治や」と言った。この一言が維新を生むことになる。松井氏は「あんたらがホンマの政治なら、われわれは正しい政治をやろうやないか」と府議団を割った。

当初は「自民党大阪維新の会府議団」を名乗り、23年の統一地方選で「大阪維新の会」の旗を掲げて戦った。府議会では議員定数と議員報酬のカットを公約に掲げ、過半数を占める一方、大阪市会と堺市議会では第1党に躍進した。訴えたのは「身を切る改革」だった。意味がないとの批判があるが、議員だけが特権を持っているという悪しき風潮を断たなければ、有権者の支持は得られない。

選挙での勝利で大阪では「改革」が進み、借金を返しつつ、新たな財源が生まれてきた。この果実は将来の投資に使うべきだということで「教育の無償化」に充てている。大阪で成功しているのは府民に新たな負担を求めていないからだ。