「能登復興が先」岸田首相の「国立公園に高級リゾート」に批判殺到! 知床のホテル支配人も指摘する“ぼんやり感”

AI要約
岸田首相が国立公園に高級リゾートホテルを誘致する方針を示し、民間活用による魅力向上事業を推進地方への誘客手段として国立公園の滞在・体験・魅力向上拠点の拡充を目指すも、一部の地域ではホテル数の過剰感や外国人観光客の実態に疑問があるホテル支配人は、既存のホテルへの支援よりも施策を望む声があり、国民の声を重視するべき時期と指摘
「能登復興が先」岸田首相の「国立公園に高級リゾート」に批判殺到! 知床のホテル支配人も指摘する“ぼんやり感”

 7月19日、岸田文雄首相は総理官邸で開いた観光立国推進閣僚会議で、全国に35カ所ある国立公園について「民間活用による魅力向上事業」の実施を関係閣僚に指示した。

 政治部記者がこう話す。

「観光立国推進閣僚会議は、安倍晋三首相時代の2013年3月に発足したもの。岸田首相もこれまで“観光立国”を目指すべく、この会議を継続してきました。

 直近の訪日外国人の数は、コロナ禍前の2019年の3188万人を超える見通しですが、3大都市圏の8都府県で全体の7割を占めている状況。

 このため、4月17日に開かれた同会議で、地方への誘客手段として、『国立公園の滞在・体験・魅力向上拠点の拡充』があげられていました。岸田首相は、国立公園に高級リゾートホテルを誘致し、観光客を増やそうというわけです」

 ただ、この岸田首相の方針を目にした人々からは、その有効性に疑問の声があがっている。

《やっぱり馬鹿だった。国立公園に高級リゾートホテルって…守るべきものを壊してくのが岸田政権なんだよね》

《高級リゾートだと外資でしょうね。日本の観光地、旅館、ホテルが儲かる様にした方がいいと思います》

《国民は生活が苦しいのに外国人観光客優先ですか?能登復興が先でしょ。あなたはどこの国の総理大臣なんですか》

 では、実際にホテル誘致の対象になりそうな観光地は、この方針をどのように受け止めているのか――。

 本誌は北海道・知床国立公園の近くにある、ホテルの支配人に電話で話を聞いた。

「このあたりはホテル数が足りていないことはないですね。むしろ、余っているくらいです。ニュースは見ましたけど、なんかピンと来ないですね。そもそもどこに建てるのかもわからないですし……」

 こう、岸田首相の方針の“ぼんやり感”を指摘。さらに、過去の事例からもリゾートホテルの新規誘致に疑問が残るという。

「実際に私どものホテルがある地域の状況ですと、100室超のホテルが4館あり、夏はたしかに混みあいます。観光客がいらっしゃるのは、ゴールデンウィークから10月くらいまで。閑散期になると“激しい”と言っても過言でないほどの閑散ですよ。

 たしかに現状、外国人観光客は多くはありません。札幌を拠点にして旅行をされているので、外国人観光客の3~4日間の日程だと、ここらには泊まらないんです。そのため、現在は個人でゆっくりされる富裕層の方が多いと思います。

 コロナ禍前、ある大手ホテルチェーンがリゾートホテルを建設するという計画があったのですが、進んでいません。着工されてもいないですね。ですから、我々の肌感だと『えっ、誘致するの?』という感じ。新規誘致より、既存のホテルに対して、なにか施策を打ってほしいです。いま、生き残るのに必死なくらいですよ……」

 いつになったら、岸田首相は国民の声を聞いてくれるのか。