海自の手当不正、4人の逮捕公表せず 「説明不十分だった」と釈明

AI要約

海上自衛隊の潜水艦救難艦に所属する隊員4人が潜水手当の不正受給で警務隊に逮捕された事件が明らかになった。

事件は不起訴処分になったものの、防衛省が公表しなかった経緯が露呈し、説明不足を認めている。

潜水手当の不正受給は約4300万円にのぼり、74人が処分される事態となった。

海自の手当不正、4人の逮捕公表せず 「説明不十分だった」と釈明

 海上自衛隊の潜水艦救難艦2隻に所属する隊員による「潜水手当」の不正受給問題をめぐり、海自は18日、警務隊が当時の隊員4人を詐欺と虚偽有印公文書作成、同行使の容疑で逮捕していたことを明らかにした。防衛省が12日に特定秘密保護法の違法運用や手当受給の不正などを巡って計218人の処分を公表した際には説明していなかった。

 国会内で18日に開かれた立憲民主党の会合で質問され、防衛省が明らかにした。

 海自によると、4人は昨年11月15~16日、警務隊に逮捕され、その後検察が12月27日に全員を不起訴処分(起訴猶予)にしたという。逮捕を公表しなかった理由について「(担当部署間の)横の連携がうまくいかなかった」と説明。「隠蔽(いんぺい)しようという意図はなかった」「説明が不十分だったのは反省している」と述べた。

 潜水手当をめぐっては、潜水艦救難艦「ちはや」と「ちよだ」の隊員が、2022年10月までの5年半、架空の訓練実績の申請を繰り返して不正に受給していた。総額は計約4300万円にのぼり、この問題では懲戒免職11人を含む74人が処分された。(田嶋慶彦、矢島大輔)