名古屋ガイドウェイバス 専用の高架をつくることでダイヤの遅れを解消 【企画・NAGOYA発】

AI要約

名古屋市内にある唯一の交通機関である名古屋ガイドウェイバスの「ゆとりーとライン」。高架の専用区間を走行する特殊なバスで、一般道も走行する珍しいシステムである。

ゆとりーとラインは名古屋市守山区を中心としたエリアをカバーし、起伏に富んだ地形や車の渋滞を乗り越えて効率的に運行されている。

運行中には一般車が高架区間に進入する事件も発生し、安全対策の重要性が問われている。

名古屋ガイドウェイバス 専用の高架をつくることでダイヤの遅れを解消 【企画・NAGOYA発】

(その1から続く)

◇第30回 「日本で唯一のガイドウェイバスをぶらり」その2

 日本で唯一の交通機関が名古屋市内にある。名古屋ガイドウェイバスの「ゆとりーとライン」だ。高架の専用区間を案内輪がついた特殊なバスで走行し、一般道もそのまま走行する“二刀流”のシステムで世界的に見ても珍しい。東海テレビ元アナウンサーで旅番組の達人でもある高井一さん(70)、路線バス芸人として売り出し中のお笑いコンビ「マムツー」のすなおさん(28)の2人が初乗車し、秘密や魅力にとことんまで迫る。近日中に中日スポーツの公式YouTubeでも乗車体験動画を公開中。(鶴田真也)

 ゆとりーとラインが通る名古屋市守山区を中心としたエリアは起伏に富んだ地形で車の渋滞も激しい。それが路線バスにとってはネックだったが、バス専用の高架をつくることでダイヤの遅れを解消できる。平日のラッシュ時は2~3分間隔で運行されており、高井さんは「渋滞エリアをこうやって円滑に走れることは住民にとっては夢のようなことでしょうね」と想像を膨らませた。 高架区間は小幡緑地駅までで大曽根駅を含めて全9駅。所要時間は約13分で、一般道に入る手前にお待ちかねの「モードインターチェンジ」が設けられている。

一般車が進入できないように遮断機のバーが開閉する仕組みで、運転指令室が管理しており、運転士のIDなどを照合して合致しないとバーは開かない。この地点でバスはいったん停止し、運転士は専用レバーを操作して案内輪を車体下に畳む。

高井さんは「運転士さんがハンドルを操作してます。ここからは普通のバスになる」と妙にほっとした様子。すなおさんも「こういうインターチェンジを経て地上に降り立つんだ。『一般車進入禁止』と書いてある」と驚いた。

ただ、2022年5月には一般車が高架区間に進入する事件が発生。乗用車が遮断機を押し上げ、強引に乗り入れたという。早朝でバスも運行中だったが、けが人は出ず、運行への影響はなかった。

 一般道に入ると名古屋市交通局の管轄となり、通常の路線バスと同じ運行に。一行は終着の志段味交通広場のバス停で下車。小幡緑地駅近くにある名古屋ガイドウェイバスの本社に移動して関係者への取材に及んだ。