専門家「総理は知っていたのに…」日本政府の対応問題視“少女暴行”アメリカ兵初公判

AI要約

アメリカ空軍兵の男が少女への性的暴行で初公判を迎え、起訴内容を否認。アメリカ軍は厳しい措置を講じていない状況について専門家が問題視。日本政府の対応も議論されている。

沖縄県の那覇地裁で開かれた公判で、16歳未満の少女を性的暴行目的で誘拐した疑いで起訴されたアメリカ空軍兵の男が無罪を主張。過去のアメリカ軍関連の性犯罪事件と日本政府の対応の違いも浮き彫りになっている。

現在の嘉手納基地の雰囲気やアメリカ軍の対応、外出制限など厳しい措置が講じられていない状況について、日米関係や再発防止策の必要性が議論されている。

専門家「総理は知っていたのに…」日本政府の対応問題視“少女暴行”アメリカ兵初公判

少女への性的暴行などの罪に問われたアメリカ空軍兵の男。12日に初公判が行われ、起訴内容を否認しました。同様の事件が相次ぐなか、アメリカ軍は外出制限などの厳しい措置には踏み切っていません。専門家は、日本政府の対応も問題視しています。

沖縄県・那覇地裁。嘉手納基地所属の空軍兵長、ワシントン被告(25)に対する初公判が開かれました。去年12月、公園にいた16歳未満の少女を性的暴行目的で自宅に誘い込んだとして、不同意性交とわいせつ誘拐の罪に問われています。ワシントン被告は法廷の場で起訴内容を否認しました。

ワシントン被告

「Notguilty(私は無罪)」

傍聴した人

「淡々としていたと思う。童顔のわりにがっしりした体で、表情ひとつ変えず、冷静を保っていたと思う」

「被害者の思いが少しでも。せっかく勇気を出して声を上げたので、その声がつぶされることなく、いい方向に裁判も進んでくれたら」

発生当時、この事件を外務省は把握していたものの、沖縄県には報告しませんでした。また、他にも過去の事例とは異なった対応が取られている事があります。

卑劣な事件がある度に日本政府は強く抗議し、アメリカ軍もまた数日以内に対策を取ってきていました。例えば2008年、女子中学生が海兵隊員に性的暴行をされた時。

福田康夫総理大臣(2008年当時)

「沖縄の皆さんと協力して何とかしなければいけない」

国務省 マコーマック報道官(2008年当時)

「性的暴行のいかなる事案も極めて深刻に受け止めています。今回の件では地元当局と緊密に連携しています」

アメリカ軍は、沖縄と岩国の軍人たちの基地の外への外出を禁止しました。

2012年に海軍兵士2人が20代の女性に対して集団暴行事件を起こした時も、沖縄だけでなく日本に駐留する全てのアメリカ兵に対して、夜間の外出が禁止されています。

しかし今回、嘉手納基地の雰囲気はというと…。

嘉手納基地関係者

「週末飲みに行くのを控えている様子はない」

11日に出された在沖アメリカ海兵隊、駐日アメリカ米大使、四軍調整官の共同声明ではこのようになっています。

共同声明

「沖縄で軍施設から外出する運転手の飲酒チェックを既に強化し、軍の法執行機関職員によるパトロールを増やし、拡大しています」

現状、外出制限など厳しい措置は取られてはいません。

上川陽子外務大臣

「(Q.より強い姿勢でアメリカ側に再発防止策を求める必要性について)沖縄における米軍関係者の最近の性犯罪事案での起訴および逮捕について、強い遺憾の意を表明し、米側に対して、在日米軍の綱紀粛正と再発防止のための具体的かつ実効的な措置を講じるよう求めたところであります」