「蓮舫惨敗」にほくそ笑む自民党はなぜか「石丸現象」をあまり脅威とは思っていないらしい

AI要約

立憲民主党が都知事選で予想外の3位に沈み、立憲の政党支持率も急落した。

自民党は逆に立憲の低迷に喜びを感じており、総裁選後の解散など新たな展開に期待している。

都知事選で2位に入った石丸伸二氏が今後の国政にどのような影響を及ぼすか、注目されている。

「蓮舫惨敗」にほくそ笑む自民党はなぜか「石丸現象」をあまり脅威とは思っていないらしい

都知事選で元立憲民主党の蓮舫氏が予想外の3位に沈んだが、翌日に出たNHKの世論調査では立憲の政党支持率が前月の9.5%から5.2%に急落した。

「蓮舫惨敗」の原因は共産党との共闘で「立憲共産党色」を強めたためと見られるが、そのネガティブイメージが立憲民主党本体にも及んだと見るのが普通だろう。何人かの自民党の人たちに聞いてみると、当然彼らはこの構図を大変喜んでいた。

自民の低迷は自らが起こした政治資金規正法違反事件が理由だが、相対的に立憲の支持率が上がり、4月の衆院補選での立憲の3選3勝で、立憲党内からは「政権交代も見えてきた」と威勢のいい声も上がっていた。

だが立憲は今後は共産と組みにくくなり、ちょっと組んだだけでも自民から「また組んでる!」と非難されることになる。これは選挙を戦う上で非常に厳しい。

都知事選のもう一つの話題だった「石丸現象」は今後国政にどう影響するのか。

165万票を取り、蓮舫氏を抑えて2位に入った石丸伸二氏の選挙後の報道対応について、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は10日の会見で「ちょっと怖かった。引く人もいるのではないか」と述べたが、筆者も同じ感想を持った。

石丸氏は安芸高田市長時代から既成政党の議員や大手メディアの記者と激しく対立し、それで人気を得てきたのだが、今回の対応を石丸ファンはどう見たのだろうか。

「今の政治を変える」と主張して165万票を取った石丸氏は「今の政治」をやっている自民にとってはかなりの脅威になると思うのだが、自民党の人たちはそれほどの危機感を持っていないようだ。

理由は石丸氏が具体的な政策をまだあまり明らかにしていないこと、本人が「完全無所属」をうたっている以上、他党との協力や新党結成という話とは矛盾してしまうこと、たとえ大きな塊を作るにしても早ければ年内、遅くとも来年秋までに行われる衆参の選挙には間に合わないだろうということだった。

つまり立憲は蓮舫氏のせいで弱っている、「怖い」石丸氏もまだどうなるかわからない。だったら9月の総裁選で新しい総裁を選んで年内に解散すれば過半数確保できるかもしれない、というのが今の自民の「気分」のようだ。