「独禁法上の重大な疑問」 五輪談合事件、イベント会社が最終弁論

AI要約

東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、イベント制作会社「セレスポ」元専務・鎌田義次被告が独占禁止法違反の罪に問われた公判が行われた。

弁護側は他の事業者との合意がなかったと主張し、無罪を主張。判決は12月18日になる予定。

検察側は、鎌田元専務が自社の希望競技を組織委員会に働きかけたと主張しており、罰金2億8千万円、懲役1年10カ月を求刑している。

「独禁法上の重大な疑問」 五輪談合事件、イベント会社が最終弁論

 東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、大会組織委員会が競技会場ごとに発注したテスト大会や本大会の運営業務で受注予定者を事前に決めたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われたイベント制作会社「セレスポ」元専務・鎌田義次被告(61)と法人としての同社の公判が12日、東京地裁であった。弁護側は「他の事業者との合意はない」などとして改めて無罪を主張し、結審した。判決は12月18日。

■弁護側「独禁法の解釈上重大な疑問」

 弁護側は最終弁論で「組織委の大会運営局元次長(有罪確定)らとの接触はあったが、他の事業者との意思連絡の場はなかった」と主張。「仮に元次長らの調整を受け入れていたとしても、発注者側との接触だけで『事業者間の意思連絡』と言えるか否かは独禁法の解釈上重大な疑問がある」と訴えた。

■検察側「自社の希望競技を伝えた」

 検察側は今月3日の論告で、「鎌田元専務や他の事業者は、元次長らから調整を持ちかけられると、歩調を合わせて受け入れ、自社の希望競技を伝えた」と指摘。鎌田元専務が役員会で「各企業が組織委に『アタックしている』」と述べたとして、「自社が希望競技を割り振ってもらえるよう組織委に働きかけていた」とも主張し、同社に罰金2億8千万円、鎌田元専務に懲役1年10カ月を求刑した。