博報堂に罰金2億円の有罪判決 東京五輪の業務で談合 東京地裁
AI要約
東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、博報堂と博報堂DYスポーツマーケティング前社長に対し、罰金や懲役が科された。
事件では広告・イベント6社と7人の役員が起訴され、法人の判決が初めて下された。
横溝前社長らは組織委と共謀し、大会関連業務の受注を談合していた。検察は約437億円の契約で談合が行われたと主張している。
東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、独占禁止法違反（不当な取引制限）に問われた広告大手「博報堂」に対し、東京地裁は11日、罰金2億円（求刑・罰金2億円）、グループ会社「博報堂DYスポーツマーケティング」前社長の横溝健一郎被告（57）に懲役1年6月、執行猶予3年（同・懲役1年6月）の有罪判決をそれぞれ言い渡した。
広告・イベント6社と各社の役員ら7人が起訴された一連の事件で法人の判決は初めて。
起訴状によると、横溝前社長らは、組織委大会運営局の元次長＝有罪確定＝と共謀し、2018年2～7月に組織委が発注したテスト大会の計画立案業務や本大会の運営業務について受注調整して談合したとされる。
検察側は論告で、横溝前社長ら各社の担当者は、総額約437億円に上る契約で談合したと言及。博報堂は談合対象の二つの会場を受注して約45億円を売り上げ、約7億8700万円の利益を得たと指摘した。
一方、弁護側は最終弁論で、横溝前社長が元次長と面談して受注希望の会場を伝えたことを認めたものの、元次長が各社と受注調整をしているとは知らず、落札を事前に合意した認識はないと主張した。横溝前社長の行為が独禁法違反に当たるかは慎重に判断してほしいと裁判所に求めた。【井口慎太郎】
