松山城、過去にも土砂崩れ被害 周囲は住宅密集地 近年相次ぐ中核都市での大雨被害

AI要約

松山市の松山城東側斜面で土砂崩れが発生し、木造住宅1棟が巻き込まれ、3人が行方不明となる惨事が起きた。

松山城周辺では過去にも土砂崩れが発生し、特に西日本豪雨で大きな被害が出ている。

最近は県庁所在地の中核都市でも水害が多発し、安全対策が急務となっている。

松山市の松山城東側斜面で12日未明に発生した土砂崩れは、木造住宅1棟を巻き込み、3人の行方不明者を出す惨事となった。松山城は市中心部に近くにある「山城」で、ふもとには住宅密集地が広がっている。松山城では平成30年7月の西日本豪雨でも、敷地内で土砂崩れが発生し、遊歩道などが大きな被害を受けていた。最近は県庁所在地のような中核都市でも水害などが多発している。

西日本豪雨では、松山城の天守がある標高132メートルの勝山で、「古町口(こまちぐち)登城道」の登り口付近の斜面が崩れた。復旧工事をしていた令和2年7月には、大雨で工事の登城道がさらに崩れ、結果的に完全復旧までに3年を要した。登城道は市街地で気軽に登山の気分が味わえる魅力があるが、大雨が降れば危険性が増す。

松山城では平成11年7月にも、城山の北側斜面が幅約3メートル、高さ10メートルにわたって崩れている。

最近は県庁所在地でも大雨被害が頻発している。令和5年7月には、秋田県で記録的な大雨が降って秋田市内の河川が氾濫し、市中心部で最大3万2000世帯の住宅が浸水した。60代男性1人が車中で溺死したほか、同市添川では土砂崩れが発生。住宅など4棟が巻き込まれ、4人が軽傷を負った。

舗装された道路が多く、水はけが悪い状態の中で、河川氾濫と、下水道や排水路から水があふれ出す「内水氾濫」が加わり、被害が拡大したとみられる。