花火が「ヒュー」と打ちあがるのはナゼ? 実は「花火師の優しさ」が背景に

AI要約

花火が打ち上がる時に鳴る「ヒュー」という音の正体は花火玉に付いている笛が火薬からガスを出して鳴る仕組みである。

花火師は特に注目の花火に笛を仕込んでおり、見逃さないようにしている。

花火大会に参加する人々は、花火を見るだけでなく「ヒュー」という音にも注目するように勧められている。

花火が「ヒュー」と打ちあがるのはナゼ? 実は「花火師の優しさ」が背景に

 花火のシーズンに突入していますが、なぜ花火はヒューと打ち上がるのでしょうか。

 皆さんは花火大会で「ヒュー」という音も聞いたことありますよね。その音の正体は一体何なのでしょうか?

(1)花火玉に笛が付いていて、鳴っている

(2)高速で打ち上がる時の空気との摩擦音

(3)危険を知らせるため花火師が叫んでいる

 正解は…(1)花火玉に付いている笛が鳴っているのです。

 なぜ、花火に笛が付いているのでしょうか?国際花火シンポジウム協会副会長の東京大学・新井充名誉教授によると、この笛は「花火師の優しさ」だということです。

 まずはこちらをご覧ください。花火玉の上部に付いているものが笛の部分です。断面を見ると中には火薬が詰まっていて、穴の部分が楽器の笛と同じ構造になっています。

 点火すると火薬からが勢いよくガスが出て、ヒューと音が鳴る仕組みです。

 すべての花火にヒューと音がついているわけではありません。つまり、花火師が音の鳴るもの、鳴らないものを使い分けているんです。

 どのように使い分けているのでしょうか。

 新井名誉教授によると、「絶対に見逃してほしくない、特に注目の花火に笛を仕込む」ことが多いそうです。

 花火大会はもちろん花火を見に来ていますが、出店で食事を楽しんだり、一緒に来ている人と話したりして、花火から目をそらしている時間もありますよね。さらに、花火は開いてから少し遅れて音が聞こえてきます。

 そうなると、目をそらしている時にドーンと鳴ってから空を見上げても、もう見どころが終わってしまいます。

 つまり、このヒューという音には「花火大会の見どころを、ぜひ見逃さないで」という花火師の優しさが詰まっているというわけです。

 今年、花火大会に行く人はぜひこの音にも注目し、行ってみてください!

(スーパー J チャンネル「なるほどハテナ」2024年7月9日放送)