靖国神社、過去にも活動家のターゲットに 放火、爆破、落書き… 反日教育で「目の敵」

AI要約

靖国神社で石柱に"Toilet"と書かれた落書き事件が発生し、中国籍の男3人と国内在住の男1人が逮捕された。靖国神社は反日活動家のターゲットとなっており、過去に外国人による不法行為が相次いで起きている。

過去には靖国神社での放火や爆破事件があり、中国籍の男女が南京事件への抗議活動を行ったり、靖国神社で放火した男が後に韓国の日本大使館で逮捕されるなど、外交問題に発展するケースもある。

警視庁公安部は逮捕状を取得したが、中国と日本には犯罪人引き渡し条約がないため、逮捕にはハードルが高い。評論家の石平氏は、中国国内の反日教育や習近平政権の「戦狼外交」が靖国神社を狙わせていると指摘している。

靖国神社、過去にも活動家のターゲットに 放火、爆破、落書き… 反日教育で「目の敵」

靖国神社(東京都千代田区)で石柱に「Toilet(トイレ)」と書かれた落書きが見つかった器物損壊事件は9日、警視庁公安部が中国籍の男3人の逮捕状を取り、国内在住の男1人を逮捕した。靖国神社では、これまでも外国人による放火や落書き、爆破事件などが相次いで起きており、反日活動家のターゲットとなってきた。

今回の事件は、落書きする様子を撮影してSNSで発信していたが、過去にも撮影や配信を目的とした不法行為が行われている。平成30年12月には、南京事件への抗議活動のため、靖国神社の敷地に入ったとして、中国籍の男女が逮捕された。参道で「南京大虐殺を忘れるな」と中国語で書かれた横断幕を広げて位牌のようなものを燃やし、その様子をスマートフォンで撮影し、動画を公開していた。

他国を巻き込んだ外交問題に発展したケースもある。23年12月、靖国神社境内で、神門にガソリンをまいて放火、柱の一部を燃やしたとする中国籍の男が、その後、韓国ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げ込み拘束された。韓国警察に靖国神社の放火を認める供述をしたため、日本政府が身柄の引き渡しを求めたが、韓国は「政治犯」としたソウル高裁の判断に従い引き渡しを拒否した。

警視庁公安部は、今回の事件ですでに出国している董光明容疑者(36)と許来玉容疑者(25)について逮捕状を取得し、指名手配した。ただ、日本と中国の間には、双方に逃亡した被疑者を拘束し、相互に移送することを原則として義務付ける犯罪人引き渡し条約がなく、逮捕に向けたハードルは高い。

27年に、靖国神社のトイレで爆発音がした事件では、捜査線上に韓国籍の男が浮上。男は事件後に帰国したものの、その後自ら日本に戻ったため、逮捕できた例もあった。警察幹部は「必ず逮捕されることが分かっている自国民を中国が黙って出国させるとは考えにくい」と話している。

評論家の石平氏は靖国神社が狙われる背景について、「江沢民政権時代から中国国内で長年行われてきた反日教育の中で、靖国神社は侵略戦争をした憎むべき悪の日本の象徴として目の敵にしてきた」と指摘する。さらに、近年の超強硬な姿勢で対外批判を繰り返す習近平政権独特の「戦狼外交」が中国国民にも悪影響を与えているとし、「外国で何をやっても愛国につながるならいいという風潮が広がっている」と話した。