全国の重要施設の水道管、緊急点検 能登地震での断水長期化踏まえ

AI要約

岸田文雄首相は、全国の避難所などにつながる水道管の耐震化状況を緊急点検する考えを示し、10月までに完了させることを発表した。

能登半島地震での被害を踏まえ、上下水道の耐震化計画策定や更新を全自治体で進める考えも示された。

首相はデジタル技術を活用して漏水を検知する取り組みを進めるとともに、政府の水循環基本計画を改定し、上下水道の耐震化を盛り込む方針を示した。

全国の重要施設の水道管、緊急点検 能登地震での断水長期化踏まえ

 岸田文雄首相は8日、全国の避難所などの重要施設につながる水道管の耐震化状況を緊急点検する考えを示した。10月までに完了させる。能登半島地震で上下水道に大きな被害が生じ、断水が長期化したことを踏まえた措置。今年度中に全自治体で上下水道耐震化計画の策定や更新を進める考えも示した。視察先の岐阜県恵那市で記者団に語った。

 首相は「システムの急所の最重要施設や、避難所等の重要施設にかかる管路の耐震化状況の緊急点検を開始し、10月までに完了する」と述べた。能登半島地震では最大約11万戸が断水し、今も一部で復旧作業が続いている。

 首相はこれに先立ち、人工衛星と人工知能(AI)を活用して漏水を検知する愛知県豊田市の上水道の管理施設などを視察。上下水道のメンテナンスにデジタル技術を導入する考えを示し、「今後5年程度で標準装備を進めていきたい」と記者団に語った。政府の「水循環基本計画」を8月をめどに改定し、上下水道の耐震化などを盛り込む考えも示した。【内田帆ノ佳】