「体力の差が出てるんじゃないかな」「全部使うっていうのが…」前安芸高田市長・石丸伸二氏(41)が語っていた“一番賢い選挙戦”とは《小池百合子氏に次いで都知事選2位に》

AI要約

安芸高田市長を経て都知事選で蓮舫氏抑え2位になった石丸伸二氏の選挙戦の舞台裏に迫る。

石丸氏は自民党の支持を受けず、重鎮たちとともに選挙戦を展開。その中心に元自民党政調会長の田村重信氏がいた。

石丸氏の応援団には安倍晋三夫妻との親交もあった鳥羽博道氏がいて、キャッチフレーズにもこだわりがあった。

「体力の差が出てるんじゃないかな」「全部使うっていうのが…」前安芸高田市長・石丸伸二氏(41)が語っていた“一番賢い選挙戦”とは《小池百合子氏に次いで都知事選2位に》

〈京大卒銀行員→安芸高田市長→都知事選で蓮舫氏を抑え2位に…石丸伸二氏(41)が「週刊文春」の直撃に明かした“連続敗訴”と“大物支援者”の正体〉 から続く

 7月7日に投開票が行われた東京都知事選。3期目の当選を果たした小池百合子氏(71)に次ぐ得票数を獲得したのは、前安芸高田市長の石丸伸二氏(41)だった。政党の支持を受けず善戦した石丸氏とは、一体どんな人物なのかーー。石丸氏が「週刊文春」の取材で語っていた“一番賢い選挙戦”とは? 当時の記事を全文公開する。

初出:「週刊文春」2024年7月4日号

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「(6月)9日付で(市長を)退任して、10日か11日にはこちら(東京)に来ると思ったら、来ないわけですよ。常識では考えられない」

 

 そう苦笑するのは、ドトール創業者の鳥羽(とりば)博道氏(86)。石丸伸二前安芸高田市長(41)の後援会長だ。

「初日から都内10カ所以上を演説行脚した石丸氏ですが、目立つのが自民党に縁のある重鎮たち。元自民党政調会長室長の田村重信氏(71)も応援マイクを握った。“ジジ殺し”の異名が付いています」(都政担当記者)

 選対本部長を務めるのは、自民党都連最高顧問の深谷隆司元通産相の娘婿、小田全宏(ぜんこう)氏(65)だ。記憶術に関するセミナーを長年続けており、安倍晋三夫妻とも親交があった。小田氏が言う。

「僕も石丸さんのYouTube見てたんです。今は自民党も『良い政党』と表で言えないところがある。元々昭恵夫人が僕の記憶術のセミナーに来て、その後安倍さんとも親しくなりました」

 その石丸応援団の中核が、安倍氏とも付き合いのあった鳥羽氏。そして、鳥羽氏が招聘した選対事務局長の藤川晋之助氏(70)だ。2人は揃って小誌の取材に応じた。

 鳥羽氏が冒頭のように苦笑すると、約150回の選挙に携わった藤川氏は、

「出馬が決まって、色々決裁のために彼に連絡するんです。でも、『市長職を全うするまで選挙は考えたくない』と無視。(6月)12日に(東京に)来てからやりますって。いや、あと何日あるのよってね」

 キャッチフレーズでも、ひと悶着あったという。

「案を色々出したけど、彼は『二番煎じで嫌』。(鳥羽)会長や僕は『東京新時代』が良いと思ったんですけどね。だけど、彼は市長時代から『動かす』にこだわりがあった。で、『東京を動かそう』と」(同前)