日本とカンボジア、水道整備や地雷撤去で協力強化へ…6日午後に外相会談

AI要約

上川外相はカンボジアの副首相兼外相と会談し、社会基盤整備、海上交通の発展、地雷対策の3本柱に関する新たな支援や協力の方向性を示す。

社会基盤整備では、日本の技術を生かして上下水道整備やサイバー対策の水準向上、海上交通ではシアヌークビル港を国際中心に発展させるための支援、地雷対策では新たな「日カンボジア地雷イニシアチブ」を発表する。

日本は中国に対抗し、カンボジアとの新たな協力関係を強化し、フン・マネット政権との関係を推進したい考え。

 【プノンペン=植村信介】上川外相は6日午後、カンボジアの首都プノンペンで同国のソック・チェンダ・サオピア副首相兼外相と会談する。〈1〉社会基盤整備〈2〉海上交通の発展〈3〉地雷対策――の3本柱を示し、日本の技術を生かした新たな支援や協力の方向性を示す。

 社会基盤整備では、日本に強みのある上下水道整備のほか、サイバー対策の水準向上や人材育成を後押しする。海上交通を巡っては、南西部が海に面しているカンボジアの地理的な条件を活用し、周辺国や国際市場との連結性を強化する。同国唯一の深海港であるシアヌークビル港を国際貿易の中枢に発展させるため、北米や欧州との航路開設に向けた基本計画策定や、関税手続きの電子化などを支援する。

 地雷対策では、第三国での地雷除去を進めるため、新たに「日カンボジア地雷イニシアチブ」を発表する。カンボジアに「国際協力チーム」を新設し、ロシアが敷設した地雷に苦しむウクライナなどでの地雷除去に共同で取り組む。

 カンボジアは中国から大規模な投資と支援を受けており、中国への依存度は高い。日本としては、カンボジアとの新たな協力関係を通じ、昨年発足したフン・マネット政権との関係を強化したい考えだ。