「過大な利益」か国の「傲慢」か ふるさと納税ポイント禁止 総務省と楽天の対立過熱

AI要約

楽天グループと総務省がふるさと納税制度でポイント付与を巡り対立している。総務省が来年10月からポイント付与を禁止する方針を示し、楽天は反発している。

ポイント付与の原資について総務省と楽天とで見解が分かれており、議論が平行線をたどっている。

ふるさと納税制度の目的やポイント付与の問題点についても触れられており、両者の立場が対立している様子がうかがえる。

「過大な利益」か国の「傲慢」か ふるさと納税ポイント禁止 総務省と楽天の対立過熱

ふるさと納税制度で仲介サイトを利用した寄付者へのポイント付与を巡り、サイトを運営する楽天グループと総務省の対立が過熱している。過度な競争を抑止する狙いで来年10月から付与を禁止するとした総務省告示に対し、楽天側は「傲慢」と強く反発し、反対の署名をサイト上で募集。ポイント発行の原資に自治体がサイト側に支払う委託料が含まれるとの総務省の見方も否定し、議論は平行線をたどっている。

■怒りあらわに

「断固反対する。傲慢すぎる」

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は6月27日、X(旧ツイッター)にこう投稿し、告示に怒りをあらわにした。

同25日に方針が示された総務省の告示は来年10月以降、金銭として利用できるポイントを付与する仲介サイトを通じ、自治体が寄付を募集することを禁止。仲介サイトに誘導する「ポイントサイト」を介した付与も対象としている。

都市部と地方の税収格差を是正する目的で平成20年に始まったふるさと納税では、寄付者が応援したい自治体を選択。寄付額のうち2千円を超える分が原則、所得税などから控除され、寄付先の自治体から返礼品を受け取ることができる。

返礼品の基準は「調達費が寄付額の3割以下」とされ、総務省側は、さらに上乗せされるポイントを過大な利益とみている。一方で仲介サイトでは寄付者獲得に向けてポイント付与率が引き上げられ、総務省の担当者は「競争が過熱して制度の趣旨から外れ、看過できない」と話す。

■原資に委託料は…

総務省と楽天側で見解が分かれているのが、ポイント発行の原資だ。

総務省としては、原資には、自治体がサイト運営会社に払う委託料が含まれ、過熱する競争が委託料の高止まりにつながっているとみる。

一方の楽天側はポイント原資について「弊社負担」と発信。1600以上の自治体が利用する仲介サイト「楽天ふるさと納税」で、ポイント禁止の撤回を国に求める署名を募集している。当面期限は設けないという。

ただ、こうした反発は限定的になりそうだ。