「海猿」にあこがれ、海保初の女性潜水士に…1%未満の狭き門越え配属を待つ

AI要約

海上保安庁で初めて女性潜水士が誕生する。五島海上保安署に所属する浜地多実さん(23)は海上保安学校で養成研修を修了し、潜水士としての配属を待つ。

浜地さんは映画「海猿」をきっかけに潜水士を目指し、海上保安学校に入学。厳しい選考を通過し、養成研修に参加した。

研修中は厳しい訓練に取り組み、無呼吸の水中放置や沈没船を模したコースを実施。浜地さんは女性として初めての挑戦で、今後は目標とする潜水士になりたいと語る。

 海上保安庁で初めて、女性の潜水士が誕生する。第7管区海上保安本部の五島海上保安署(長崎県)に所属する浜地多実さん(23)。広島県呉市の海上保安大学校で3日に養成研修の閉講式があり、今後、海難事故などで救命活動にあたる潜水士としての配属を待つ。

 浜地さんは小学1年の時に潜水士を描いた映画「海猿」を見たのがきっかけで水泳を習い始めた。2020年に海上保安学校に入り、21年に海上保安官に任官。全海上保安官で1%に満たない狭き門を目指し、養成研修に参加するための選考を昨年11月に突破した。

 2か月間の研修では、水中で無呼吸のまま2分30秒過ごしたり、海中に造られた沈没船に見立てたコースを進んだりする訓練をこなした。女性の参加は浜地さんが初めて。指導した谷崎祐志潜水教官(37)は「ものすごいやる気や負けん気があった」と語る。

 現在、全国で121人が潜水士として配属され、今回の研修で「合格」した17人が加わる。浜地さんは「潜水士を目指す女性から目標とされる潜水士になりたい」と話す。