滋賀・石部高野球部でいじめ、「重大事態」認定後も継続 最終報告書まとまる

AI要約

滋賀県立石部高校で起きた野球部のいじめ問題について、被害生徒が1年生の頃から続いていたことが調査で判明し、被害は認定後も続いていた。

いじめは言動や行動で成され、加害生徒からのパワハラが含まれていた。被害生徒は練習中や部活で嫌がらせを受け続けた。

報告書では、学校の迅速な対応が欠如し、再発防止策としていじめの共通理解や情報共有の重要性が指摘された。

滋賀・石部高野球部でいじめ、「重大事態」認定後も継続 最終報告書まとまる

滋賀県立石部高校(滋賀県湖南市)の野球部で令和5年9月、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に認定されるいじめがあり、弁護士や臨床心理士など外部委員を含めた調査委員の最終報告書がまとまった。報告書では、被害生徒(3年)が1年のころからいじめが始まり、認定後も継続していたことが判明した。県教委は「報告書の公表については被害生徒側の意向も確認し、検討する」としている。

■1年から始まる

報告書によると、昨年8月、硬式野球初心者の被害生徒が試合後にミスを部員から責められ、以降、学校や部活を休むことが増えた。同9月5日、朝から行方不明となり、同日夕、野球部顧問に「いなくなりたい」とラインで連絡。同日午後5時半ごろ、自宅マンションの6階で見つかり、聞き取り調査の結果、いじめが発覚した。

加害生徒も含めた調査では、被害生徒は1年時から、練習中のグラウンドや部室で、試合や練習でのエラーについて、野球経験のある加害生徒から、「しっかりやれよ」「エラーしたなら練習しろよ」などと頻繁にいわれ、強い口調でいわれることもあった。

■止まらないいじめ

被害生徒が2年になっても言動によるいじめは続いた。そして、昨年9月に発覚。しかし、同9月12日にいじめ防止対策推進法の「重大事態」に認定した後もいじめは止まらなかった。

認定後は、学校は加害生徒への指導をしているが、同15日には、被害生徒が野球部内でいじめを受けていることを部外に広められ、翌10月4日には、体育の授業中に「一緒にするのはいや」といわれるなどし、言動で苦痛を感じさせられた。

また、同12月11日には、野球部のライングループから、本人の許可なく退会させられた。登校をいやがる被害生徒の様子に異変を感じた母親が気付き、いじめがわかった。

■「報告書は公開を」

同高校の遠藤彰校長によると、「今は落ち着いている」といい、いじめはなくなったという。

報告書では、学校の問題点として、「被害生徒や保護者が深刻な状況であることの認識に欠け、迅速で組織的な対応ができなかった」と指摘。その上で、「いじめの共通理解の徹底」「職員間での情報共有」などの再発防止策を示した。