介護離職「親のため」 本当に正しいか

AI要約

NPO法人「となりのかいご」代表理事の川内潤氏は介護離職についての相談に応じており、仕事と介護を両立させる重要性を強調している。

川内氏は、離職することが親にとっても自分にとってもよいことではないと指摘し、両方を大切にすることを訴えている。

さらに、現在の社会状況において、テレワークや時短勤務が介護と仕事の両立に適した方法ではないと述べている。

介護離職「親のため」 本当に正しいか

 NPO法人「となりのかいご」代表理事の川内潤氏は毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。

 川内氏は介護離職をめぐって多くの相談を受けている。「私たちが受けた相談のなかで、仕事を辞めた方がお父さん、お母さんのためになりますというケースは一件もありません」と言う。

 「仕事を選んだら親不孝だ、だから仕事か介護かの二者択一になっているのですが、その考え方自体がよくありません。両方大事にすることの方が親にとっても自分にとってもよいことをまず、知っていただく必要があります。誰のために離職するのか、もう一度整理してほしいのです」と指摘する。

 「テレワークでできる、時短でできる、などと言いますが、誰でもできる方法でしょうか。家族がいなければ成り立たない介護を前提にしていること自体が、今の社会にあっていません。高齢者のためになるならまだよいのですが、高齢者のためにもなっていません」と語った。