国会議員の所得、「ポスト岸田」候補では河野デジタル相がトップ…小泉進次郎氏「雑所得」で最多

AI要約

国会議員の2023年の所得等報告書が公開され、平均所得が前年比374万円増の2530万円となった。1億円を超えた議員が増え、自民党が所得上位を独占している。

最も所得が多かった議員は元JPモルガン証券副社長の中西健治衆院議員で、7億4679万円を得る。歳費の削減措置が終了し、所得に影響を与えた。

政党別では自民党が首位を維持し、岸田首相が10党首中で最も所得が高い。自民党内でのポスト岸田候補には注目が集まる。

 衆参両院は1日、国会議員の2023年分の所得等報告書を公開した。1人あたりの平均所得は前年比374万円増の2530万円(衆院2642万円、参院2319万円)で、5年ぶりに増加した。1億円を超えた議員が前年の2人から7人に増えたことや議員歳費の削減措置が終了したことで平均額を押し上げた。

 歳費は新型コロナウイルス禍で2割削減されたが22年7月に終了し、23年は満額支給された。最も所得が多かったのは、元JPモルガン証券副社長の中西健治衆院議員(自民)で、同社関連株の売却や配当などで7億4679万円を得た。

 政党別では自民が2808万円と7年連続で首位となった。所得上位10人中8人を自民が占め、1億円超も全員が自民だった。10党首間では、岸田首相(自民総裁)が3875万円で3年連続1位で、野党第1党の立憲民主党の泉代表は2034万円で9位だった。

 一方、「ポスト岸田」候補と目される自民6議員を比較すると、トップは河野デジタル相の3183万円で、高市経済安全保障相の2875万円が続いた。テレビ出演料や講演料など露出度を測るバロメーターとなる「雑所得」は小泉進次郎・元環境相が最多で、発信力の高さを伺わせた。

 河野氏は大臣給与や株式配当などが所得全体を押し上げた。3位以降は、茂木幹事長、小泉氏、小林鷹之・前経済安全保障相、石破茂・元幹事長の順で、いずれも全体平均を下回った。

 雑所得に限ると、首位の小泉氏は講演料など210万円を計上し、前年の65万円から3倍に増やした。一方、知名度が高く、小泉氏とともに「小石河」と称される石破氏は42万円と前年比170万円の大幅減となり、河野氏も6人中最少の33万円にとどまった。岸田首相は前年から71万円少ない11万円だった。