【能登半島地震から半年】仮設への入居進むが、倒壊建物の解体の進捗はわずか12%で街は痛々しい姿のまま
発生から半年を迎えた登半島地震による281人の犠牲者と、8万3980棟の被災家屋。復旧進むインフラと避難所解消の進捗、一方で倒壊家屋の公費解体の遅れ。
元日に発生した地震はマグニチュード7.6で、最大震度7。石川県や周辺地域で大きな被害をもたらし、津波も観測された。
避難者は最大で3万4000人以上だったが、現在は2228人にまで減少。仮設住宅の建設が進み、進捗は良いが、倒壊家屋の公費解体はまだ難航中。
元日夕に発生した登半島地震から半年を迎えた。地震による犠牲者は281人で、平成以降の地震災害では東日本大震災、阪神・淡路大震災に次ぐ規模。インフラの復旧が進み避難所は解消しつつあるが、倒壊家屋の多くが手つかずの状態。
元日の午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生。同日午後８時までに石川県輪島市で120センチ以上、金沢市で90センチ、山形県酒田市と富山市で80センチ、新潟県柏崎市などで40センチの津波を観測した。
この地震で家屋8万3980棟が被災し、発災直後は県内外へ最大で約3万4000人が避難した。6月27日現在では避難者は2228人まで減り、避難所は徐々に縮小している。土砂災害の危険がある山間部などの約1500戸を除き断水は5月中に解消された。
仮設住宅の建設が進み、石川県は市町から申請のあった約6800戸について8月中の完成を目指す。既存の集合住宅などを行政が借り上げる「みなし仮設」を含め、約1万7000人が入居した。
一方、倒壊した家屋の公費解体は進んでおらず、申請を受け付けた約2万865棟のうち、着手は2601棟と進捗率12%にとどまっている。
〈死亡者数〉 281人（うち災害関連死52人）
〈住宅被害〉 8万3980棟
〈避難者数〉 2288人（最大時3万4000人）
〈仮設住宅入居〉 建設型 : 3591世帯8481人 みなし仮設：779世帯8871人
〈倒壊家屋等の公費解体〉申請 : 2万865棟 着手 : 2601棟 完了 : 911棟
（石川県が6月27日に公表した数字などに基づく）
