自動外貨両替機、奈良で増設 インバウンド、さい銭や自販機利用で

AI要約

奈良市内でも増えている自動外貨両替機。インバウンド客の増加や円安の影響で需要が高まり、年内に更なる拡大を計画。

訪日客が多いエリアに設置され、特に奈良市では観光客が夕方に両替を利用するケースが多い。

新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが変わり、2023年から観光客が急増中。奈良市は観光資源が豊富な街として注目を集めている。

自動外貨両替機、奈良で増設 インバウンド、さい銭や自販機利用で

 外貨を円に両替する「自動外貨両替機」の設置が奈良市内でも進んでいる。全国各地で整備を進めるアクトプロ(東京)が手掛けており、3月には市内で10台目が近鉄奈良駅構内に新設された。インバウンド(訪日外国人)の増加や円安の効果が背景にあり、同社は年内にさらにペースを上げて増設する計画だ。

 同社が開発した「スマート エクスチェンジ」。銀行のATM(現金自動受払機)のような機器で、ドルやユーロ、人民元など12通貨の紙幣のみに対応し、タッチパネルで操作する。2016年から設置を進め、国内約600カ所で稼働中だ。

 県内での設置は今のところいずれも奈良市内のみ。春日大社の自動販売機コーナーへ16年に設置したことを皮切りに少しずつ増設し、鉄道駅や観光エリアなど訪日客が集まるエリアへ広げている。「奈良の訪日客は欧米系が多く、今はドルから円への両替がかなり伸びている」と手応えを語る。

 近鉄奈良駅近くの土産物店のスタッフによると「奈良での観光が終わり、京都や大阪のホテルに戻ろうとする夕方に両替する人を見掛けることが多い。2~3人の順番待ちの状況を見ることもある」という。寺社関係者は「さい銭や自動販売機で使う日本円に変えるための両替も多い」と話す。

 奈良市内では新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行した2023年から観光客が急増中。同社は「奈良はもともと観光資源が多く、魅力が詰まった街。当面は勢いが続きそうで、年内に数台の新設を予定している」と話している。【山口起儀】