鹿児島県公安委員会、県警本部長が「隠蔽指示したと判断する事実認められない」…文書発表

AI要約

鹿児島県警の野川明輝本部長が隠蔽を否定し、不祥事に対する再発防止策を加速する意向を示した記者会見が行われた。

県民の反応や県公安委員会の発表も報じられ、本田尚志容疑者の行為や事件の経過についても言及された。

隠蔽の事実はないと野川本部長が説明し、信頼回復に向けて努力する姿勢を示した。県民の疑念を晴らすため、裁判の結果を注視する姿勢も示された。

 「隠蔽を指示した事実は一切ない」。21日の記者会見で改めて隠蔽を否定した鹿児島県警の野川明輝本部長。前生活安全部長の本田尚志容疑者(60)が起訴されたことを受け、「捜査が一区切りした」と説明の場を設けた理由を明らかにし、「一日も早い信頼回復に向けて努力する」と述べた。

 午後3時に始まった記者会見。野川本部長は、枕崎署員による盗撮事件や警察職員によるストーカー事案についての一連の経緯を説明し、理解を求めた。

 県警によると、県警に寄せられた意見は20日朝までに1370件に上り、うち大半が県警に対する厳しい批判や野川本部長の進退に対するものだったという。

 相次ぐ不祥事に対し、再発防止策を問われると、野川本部長は「網羅的な非違事案防止対策の検討を加速させる」と述べた。

 県民は県警の説明をどのように受け止めたのか。

 鹿児島市田上台の70歳代の女性は「(本田容疑者が)危険を犯してまで訴えたのはよほどのことで、県警に問題があったからだと感じる。県警は真実を明らかにしてほしい」と語った。

 同市武の公務員男性(35)は「(本田容疑者の)やり方は法にのっとっていない。裁判で明らかになると思うので、冷静に行方を見守りたい」と話した。

 県警を管理する立場の県公安委員会は21日、「本部長が隠蔽を指示したと判断する事実は認められない」などとする文書を発表した。

 野川本部長と報道陣の主なやり取りは次の通り。

 ――本田容疑者が起訴された。

 「公判によって真相が明らかになると思うので、注視したい」

 ――本田容疑者の行為は公益通報に該当するか。

 「(本田容疑者が)送付した資料には、本部長が隠蔽を指示したとの記載はなく、前刑事部長の名誉を害するような内容が記載されていた。公表を望んでいないストーカー事案の被害者の個人名や年齢が記されており、公益通報にはあたらないと考えている」

 ――県民の疑念をどう晴らしていくか。

 「隠蔽を指示したことは一切ない。客観的な証拠や事実確認により、裁判の中で明らかになっていくと思う」

 ――県民に伝えたいことは。

 「本来、県民の安全安心を守る立場の警察が、県民の安全安心に影を落としたことを重く受け止めており、おわびする。職員一丸となって再発防止対策を進め、一日も早く信頼回復ができるように努力していく」