「今の時代は2つ持ちがスタンダード」プロが教えるポイントの貯め方「最強の方法」《最新版》

AI要約

家計調査報告によると、消費支出が30万円で、ポイント活用で7000ポイント近く還元可能。

国内でのポイント市場が活況で、5大ポイントが競争中。各ポイントには特徴があり、ポイント活用が重要。

ポイントを効率よく貯めるために、携帯キャリアと連携したポイントを主に利用する方法や工夫が紹介されている。

「今の時代は2つ持ちがスタンダード」プロが教えるポイントの貯め方「最強の方法」《最新版》

「総務省が行った『家計調査報告』(’23年版)によると、二人以上の世帯の消費支出は1ヵ月平均で約30万円となっています。この支出のうち、食費や光熱費などの支払いにVポイントが貯まるクレジットカードを利用すると、ひと月でなんと7000ポイント近く(※注)が還元される計算です。『ポイ活』を始めるだけで、これだけの恩恵が受けられます」

こう熱弁するのは、Money&You代表でマネーコンサルタントの頼藤太希氏だ。

今年度の国内でのポイント発行額は、なんと2兆円を超える見込みだ。「ポイント市場」が活況を見せている。

4月22日にTSUTAYAなどを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が発行するTポイントと、三井住友銀行を傘下に持つSMBCグループが発行するVポイントが統合。国内最大の1億5400万人が使う、巨大ポイントが誕生したのは記憶に新しい。

そこに楽天ポイント、dポイント、Pontaポイント、PayPayポイントを加えた「5大ポイント」が、現在しのぎを削っている(表①を参照)。

モバイル・通信分野における市場動向を分析している、MMD研究所研究員の石黒花菜氏が語る。

「買い物の時にポイントが付与されるだけでなく、5大ポイントがそれぞれ通信、証券、保険や電気といった様々なサービスを展開しており、『経済圏』を形成しています。大々的なキャンペーンを実施して還元率を上げるなど、ユーザーの囲い込みは年々熾烈になっています」

ポイ活はまさに新時代を迎えている。では、5大ポイントの中でどれを選び、どの経済圏のサービスを利用するのがお得なのか。それぞれの特徴を見ながら解説していこう。

5大ポイントのうち、Vポイント以外は携帯キャリアと連携している。MMD研究所が’24年3月に行った「ポイ活意識調査」で38.3%と最も支持された楽天ポイントも、楽天モバイルと連携しているのだ。石黒氏が続ける。

「Amazonに次ぐ規模のECサイトである楽天市場を運営し、そこでの決済に楽天カードを使うと還元率が通常の1%から上がるというスタイルを確立したのが大きい。買い物でポイントが貯まるのは当たり前ですが、そこにクレジットカードを結びつけたのはおそらく楽天が初めて。シェア争いも先行しています」

dポイントとPontaポイントは携帯キャリア料金を支払う際の還元率が高く、それぞれ最大で楽天ポイントの10倍、3倍も還元される。

ポイ活に関する情報を発信するポータルサイト「ポイ探」代表の菊地崇仁氏は「それぞれ、携帯料金の支払い以外でも差別化を図るべく動いている」と言う。

「Pontaポイントと連携しているKDDIは、2月にコンビニ大手のローソンの買収を発表しています。『Ponta=ローソン』と認識させるための戦略でしょう」

※想定される費目のうち、食料はスマホのタッチ決済7%対象店舗で購入、電気は還元率3%のVポイントでんきを利用、その他の費目はすべて三井住友カードを利用したという仮定で試算

◆Vポイントは家族で貯める

NTTドコモが母体のdポイントは、EC分野に活路を見出そうとしている。

「4月10日からAmazonでもdポイントが利用できるようになりました。ポイントが付与されるのは5000円以上の買い物から、一回の決済で付与されるポイントは最大100ポイント(1万円の買い物まで)と、そこまで使い勝手がいいわけではないのですが、世界最大のECサイトと連携したインパクトは大きい。dとPontaはともにECが弱いとされていましたが、この連携でdポイントが一歩リードする形になっています」(前出・石黒氏)

電子決済大手・PayPayの発行するPayPayポイントは、携帯キャリア大手・ソフトバンクと連携しており、自治体が行う「還元キャンペーン」では10%から35%という高い還元率を実現している。

一方、Vポイントの強みは三井住友銀行を傘下に持つSMBCグループを母体としていることだ。携帯キャリアとの連携がなく、一見不便に感じるが、実店舗での使いやすさが一番の武器だ。国内で旧Tポイントが利用できた15.5万店とVポイントが利用できた750万店をおさえており、海外でもVISA加盟の約1億店舗でポイントを貯めたり使ったりすることができる。

「対象店舗で三井住友カードのスマホでのタッチ決済を行った場合は7%もの高い還元を得られます」(前出・頼藤氏)

各ポイントのストロングポイントをふまえ、最強の貯め方をプロにズバリ指南していただこう。

「結論は、自分の契約している携帯キャリア会社に紐づくポイントを1番手とし、Vポイントを2番手として持っておく。二つ以上のポイントを併用するのが、現段階で最も得するポイ活なのです」(前出・菊地氏)

二つ持ちを決断すれば、あとはひたすらサービスを使い倒すだけだ。

少しの工夫でポイント還元率をさらに高めることも可能だ。ここでも各ポイントが火花を散らす。菊地氏が続ける。

「Vポイントは三井住友カードで18歳以上の家族会員を登録すると、一人につき1%還元率が上乗せされます。5名以上の登録で最大5%還元され、その上でスマホのタッチ決済を使えば、12%という高い還元率が実現できます」

◆ゴールドカードも選択肢に

ポイントごとに、特定の日にちで還元率が上がることを把握しておけば、より効率よくポイントを貯めることが可能となる。

「楽天市場では毎月0と5のつく日に楽天カードを使うと還元率が4%に上がります。プロ野球の楽天イーグルス、J1のヴィッセル神戸が勝利した翌日にも還元率はそれぞれ1%上乗せされます。dポイントは金曜日、土曜日に対象のサイトでd払いで決済すると、還元率が最大4%まで上がるのです」(同前)

家庭で契約している携帯電話、ネット回線、電気などは、利用しているポイントと提携した事業者にまとめるのも還元率をアップさせるワザの一つだ。前出の頼藤氏が語る。

「これらの支払いには、年会費1万円程度の携帯キャリアに紐づくゴールドカードを利用してもいいかもしれません。還元率が上がり、年会費以上にポイントが貯まる可能性が高いからです。例えばdカード GOLDを使いドコモ関連のサービスを利用した場合、携帯料金とネット料金はそれぞれ10%、電気料金は最大6%の還元が得られます」

ポイントは、早めに使うのが賢い使い方であることも覚えておきたい。

「ポイントは預金とは違い、金利がつくものではありません。長期保有するメリットは全くないと言えます。保有しているだけでは失効の恐れもある。使用期限を迎える前にこまめに使うべきです」(前出・菊地氏)

ポイ活は現代の錬金術と言える。物価高を乗り切る一助として、さっそく今日から始めたい。

『FRIDAY』2024年6月28日号より