「基礎疾患」50代男性のワクチン接種認めず 大阪弁護士会、拘置所に人権侵害指摘

AI要約

大阪弁護士会は、大阪拘置所で新型コロナウイルスのワクチン追加接種を希望した50代男性の人権侵害があったと発表。

男性は広汎性発達障害などを持ち、手帳所持者であった。適切な予防接種が必要とされる中、拘置所は男性の希望を認めず。

弁護士会は、集団生活が営まれる拘置所での適切な医療を受ける権利が侵害されたとして、対応を求めている。

「基礎疾患」50代男性のワクチン接種認めず 大阪弁護士会、拘置所に人権侵害指摘

大阪弁護士会は21日、大阪拘置所が新型コロナウイルスのワクチン追加接種を巡り、接種対象者だった50代男性の希望を認めないという人権侵害があったと発表した。弁護士会は19日付で拘置所に対し、適切な予防接種を行うよう勧告した。

男性には広汎性発達障害などがあり、精神保健福祉手帳を所持。国の手引きでは、手帳所持者は「基礎疾患を有する者」に当たり、接種対象が絞られた昨年春の接種でも対象になっていた。

弁護士会によると、男性は昨年5月に5回目の接種を希望したが、拘置所側は「対象者ではないので接種できない」と回答。拘置所は男性から人権救済の申し立てを受けた弁護士会の調査には、「精神障害を有することを疎明するよう男性に伝えたが、疎明がなかった」と説明した。手帳は拘置所が保管していた。

弁護士会は、集団生活が営まれる拘置所は感染が広がるリスクが高いとし、「安全で質の高い医療を受ける権利を侵害した」と結論付けた。