「手作りおやつ」掲げたこども園 初めて提供した市販品の米粉パンに小麦粉 女児一時入院

AI要約

小麦や卵のアレルギーを持つ女児が米粉パンを食べて入院する事件が発生し、提供されたパンに実際には小麦粉が含まれていたことが判明した。

名張市のこども園は5月30日に市販の米粉パンを提供した際、女児がアレルギー症状を起こして入院。園側は原料の誤認を認め、初めての市販品提供であったことも明らかになった。

三重県教育委員会は県内の小中高校でもアレルギー症状が報告されており、児童・生徒の安全について対策を強化する考えを示している。

 三重県名張市の認定こども園で小麦や卵のアレルギーをもつ女児が「米粉パン」を食べて一時入院した問題で、名張市は20日、園側は提供した米粉パンに小麦粉が含まれていることを把握していなかったと明らかにした。三重県教育委員会は、県内の小中高校でも児童・生徒のアレルギー症状が報告されているとして、対策の徹底を求めている。

 名張市によると、「名張きぼうのこども園」では5月30日、市販の米粉パンが女児に提供された。園長らは「米粉100%」だと思い込んでいたが、実際には米粉のほか小麦粉や卵などが原料に使われていた。女児は顔などに発疹が出て病院に救急搬送され、翌31日夕まで入院したという。

 こども園は市内の幼稚園と保育所を統合して4月に開園した。手作りのおやつを提供することを掲げており、市販品の提供は初めてだったという。園側から経緯について事情を聞いた名張市の担当者は「米粉パンをつくるのは非常に手間がかかるため、仕方なく市販のパンを使った」と説明している。

 一見勝之知事は今月20日の定例記者会見で「命にも関わる話であり、他にも起こりうるものだ」と述べ、県内の保育園などに注意を呼びかける考えを示した。

 県教委によると、県内の小中高校と特別支援学校で昨年度、アレルギー症状を起こして入院したり、応急処置の注射薬「エピペン」を使用したりした事例が5件あったという。福永和伸教育長は「保護者と意思疎通し、学校給食は細心の注意を払って提供し、(アレルギー事故が)起こらないように綿密に取り組む」と話している。