公立学校生の不適切投稿、6年ぶりに増加…SNSに個人情報など昨年度1129件

AI要約

岡山県内の公立学校を対象にした不適切なインターネット上の書き込みが増加していることが明らかになった。

調査結果から、個人情報の流布や著作権侵害など、様々な問題が指摘されている。

県教育委員会は家庭や学校でのルール啓発と人権教育を推進していく方針を示している。

 岡山県内の公立学校を対象にした不適切なインターネット上の書き込みを県教育委員会が調査したところ、2023年度の書き込みが1129件(前年度1017件)となり、6年ぶりに増加した。スマートフォン利用の低年齢化が進んでいることもあり、顔や名前といった個人の特定につながる情報やテレビや漫画の画像など、軽はずみな気持ちで不適切な投稿をしてしまうケースが後を絶たない。

 ネット上のトラブルの防止と早期発見のため、調査は2009年度から実施。県内全ての公立小中高校や特別支援学校など596校の児童生徒が対象で、インスタグラムやX(旧ツイッター)、ユーチューブなどに公開されている生徒らに関する投稿を調べた。不適切な書き込みは、犯罪予告や生命に関わる緊急性があるものを「高レベル」、早期の指導が必要なものを「中レベル」、個人の特定につながる情報の投稿など必要に応じて指導すべきものを「低レベル」と分類した。

 学校別では、小学校が32件、中学校が506件、高校が588件、特別支援学校が3件となった。主な書き込みの内容は、顔や名前、学校名など「個人情報の流布」が506件と最多。学校の悪評や著作権に抵触する可能性がある投稿といった「その他」が488件と続いた。他人に対する悪口といった「いじめ・中傷」が98件、「トラブル」が24件、飲酒や喫煙など違法行為を投稿する「不法行為」が13件だった。

 不適切な書き込みは、中レベルが62件(前年度82件)。漫画やアニメを撮影した画像などを投稿して著作権を侵害する可能性があるものや、体操服姿の人物が頭に氷をかけられている様子が映った動画の投稿などがあった。低レベルは1067件(同935件)で、高レベルは前年度と同様に該当がなかった。

 県教委は、スポーツで活躍した県立校に在籍する特定の生徒に関する書き込みを除くと、件数は例年並みだとする。一方で、LINE(ライン)といった非公開のSNSでの書き込みが増え、トラブルが表面化していない可能性があると分析している。非公開の場合にも早期対応しようと、2019年度から生徒らが匿名でいじめなどの相談や報告ができるアプリを導入しており、23年度は865件の相談が寄せられた。

 県教委人権教育・生徒指導課は「小中学生からスマートフォンを持つ児童らが増えている中、家庭でのルールづくりの啓発やネットの正しい利用と人権教育を推進していく」としている。