名物秘書として活躍するオオサンショウウオ  今月いっぱいでクビの危機!? 三重・名張市

AI要約

名張市の郷土資料館で150匹のオオサンショウウオが発見され、在来種と交雑種の問題が浮上。

市は保護活動を行い、交雑種を隔離。保護された交雑種はイベントで展示されて生物多様性の啓発を行っている。

市役所の秘書として働くオオサンショウウオ弥助は、地元の自然を伝える大事な役割を果たしている。

名物秘書として活躍するオオサンショウウオ  今月いっぱいでクビの危機!? 三重・名張市

優秀な秘書が今月いっぱいでクビになるかもしれないピンチに直面しています。その秘書とは、人ではなく“ある生き物”でした…。

三重県名張市にある郷土資料館のプールにいたのは、つぶらな瞳にヌルっとした大きな体が特徴の世界最大級の両生類、オオサンショウウオです。その数、なんと約150匹!

プールの奥に密集して団子状態になっていますが、オオサンショウウオといえば国の特別天然記念物に指定されている貴重な生き物のはず…。

名張市教育委員会の山﨑さんによると、ここにいるのは全部、在来種とチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種だということです。1970年代、中国から食用として輸入されたチュウゴクオオサンショウウオが国内で野生化。もともと生息していた在来種と自然界で交配し、生まれたのが交雑種です。見た目はそっくりですが、特別天然記念物に指定されているのは在来種だけ。

名張市教育委員会 山﨑雅樹さん:

「(交雑種は)体格が在来種より大きくて獰猛な性格なので、そのままにしておくとエサ取りで在来種の方が負けてしまう」

名張市は貴重な生き物を守るため、10年ほど前から保護活動を実施。在来種は元いた場所に残し、交雑種はプールに隔離してきました。保護された交雑種は、イベントで展示されるなどして、生物多様性の啓発に一役買っています。

中には大出世を遂げたオオサンショウウオも…!

名張市役所で子どもたちがくぎ付けになっていたのは、秘書室の前に置かれた水槽。水の中ではオオサンショウウオが気持ちよさそうに泳いでいました。

実はこのオオサンショウウオ、市役所で働く秘書。秘書室の一員として、お客さんのお出迎えをしているのです。名前は弥助(やすけ)。去年5月に任命され、名刺もちゃんと持っています。

のんびり過ごしているだけにも見えますが、地元の自然の豊かさを伝える、大事なお仕事中。子どもたちも「顔がかわいらしかった」「きれいな川にすんでいて、こんな見た目しているのでびっくりした」と興味津々です!