岸田首相、衆院解散・総選挙の見送り表明…党首討論で信問う立民・泉代表に「結果を出すことに専念」

AI要約

岸田首相は、今国会での衆院解散・総選挙の見送りを表明し、立憲民主党が岸田内閣への不信任決議案を提出する見通しとなる。首相は経済や政治課題に集中する姿勢を示し、総裁選後の解散を慎重に検討する考えを示した。

党首討論では、憲法改正や緊急事態条項の議論を通じて、首相が協力を呼びかけたが、泉氏は応じる姿勢を見せず、対立が浮き彫りとなった。

党首討論は3年ぶりで初めての機会であり、討論時間は45分間で行われ、野党4党の党首が質問に立った。

 岸田首相(自民党総裁)と野党党首による党首討論が19日、国会で行われた。首相は今国会での衆院解散・総選挙の見送りを事実上、表明した。立憲民主党は20日、岸田内閣への不信任決議案を衆院に提出する。日本維新の会、共産、国民民主の野党3党などが賛成する見通しだが、与党は否決する方針だ。

 立民の泉代表はこの日成立した改正政治資金規正法について、「いいのか悪いのか、国民に信を問おうじゃないか」と迫った。首相は「経済をはじめ、様々な課題に取り組み、結果を出していくことに専念する。それ以外のことは考えていない」と拒否した。

 首相は、維新の馬場代表が23日までの会期を延長するように求めたことにも応じなかった。経済の立て直しや政治の信頼回復に集中し、総裁選で再選を果たせば、秋以降の解散を慎重に検討する考えだ。

 党首討論では、首相が憲法改正論議の進展に向け、泉氏に協力を呼びかける場面もあった。衆院憲法審査会で自民、公明、維新、国民の4党が賛同している緊急事態条項の条文案作成を巡り、「憲法を議論したら、国会を止めることはしないようぜひお願いしたい」と求めた。泉氏は「我々はずっと審議に応じている。あなたに何か約束してやるものではない」などと反論した。

 党首討論は2021年6月以来、3年ぶりで岸田内閣では初めて。討論時間は45分間で、泉氏ら野党4党の党首が質問に立った。