名札広がる「名字のみ」 背景にカスハラ対策

AI要約

滋賀県草津市は、7月から職員の名札を現在のフルネームからひらがなの名字のみに変更すると発表した。背景には、来庁者から威圧的な言動や理不尽な要求を突き付けられる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防ぐ狙いがあり、県内のほかの自治体でも広がりを見せている。

草津市の服務規程では、職員に名札の着用を求めている。しかし、表記は定めておらず、これまで職員はフルネームの名札を使用していた。

市職員課は「職員が安心して働ける環境をつくり、市民サービスの向上につなげたい」としている。

名札広がる「名字のみ」 背景にカスハラ対策

滋賀県草津市は、7月から職員の名札を現在のフルネームからひらがなの名字のみに変更すると発表した。背景には、来庁者から威圧的な言動や理不尽な要求を突き付けられる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防ぐ狙いがあり、県内のほかの自治体でも広がりを見せている。

草津市の服務規程では、職員に名札の着用を求めている。しかし、表記は定めておらず、これまで職員はフルネームの名札を使用していた。

ただ、名札をもとに交流サイト(SNS)などで名前を検索され、悪質な嫌がらせを受ける例が全国で発生。市でこれまでに同様の例は確認されていないが、市民に直接対応する窓口部署から要望があり、昨年度から検討を進めていた。

市職員課は「職員が安心して働ける環境をつくり、市民サービスの向上につなげたい」としている。

県内では、すでに彦根市をはじめ、野洲市や長浜市などでも名札を名字のみの表記に変更している。

彦根市では令和4年度に職員を対象としたカスハラ調査を実施。回答者671人のうち54%にあたる362人が「過去5年間にカスハラを受けたことがある」と回答した。カスハラの内容は、「侮蔑・大声で威圧するなど乱暴な言動」が最も多く、「インターネット上への掲載・書き込み」や「金銭や契約などの要求」もあったという。

こうした結果を受け、市では、昨年10月から名札を名字のみ漢字で表記することにし、ひらがなとアルファベットでルビを振るように変更した。これまで職員にも好評だという。

一方、大津市では顔写真付きでフルネームが入った名札を使用。市人事課は「昨今の状況を踏まえ、名札の表記のあり方については今後検討していきたい」と話している。