衆院憲法審、「閉会中審査」の要求相次ぐ 公明、維新、国民民主が自民の論点整理に賛意

AI要約

自民党が13日の衆院憲法審査会で提示した国会議員の任期延長に関する論点整理には、公明党や日本維新の会、国民民主党、他会派から賛意の声が上がった。

閉会中審査の開催要求が相次ぎ、改憲案作成のための環境整備が焦点となっている。

首相の政治責任を問う声が高く、改憲案作りが進めば臨時国会で提出される可能性もある。

衆院憲法審、「閉会中審査」の要求相次ぐ 公明、維新、国民民主が自民の論点整理に賛意

自民党が13日の衆院憲法審査会で提示した国会議員の任期延長に関する論点整理をめぐっては、必要性を共有する公明党や日本維新の会、国民民主党、衆院会派「有志の会」からも賛意の声が上がった。今国会の会期末が23日に迫る中、改憲案を作成するための閉会中審査の開催要求も相次いだ。改憲5党派のスクラムで立憲民主党と共産党の「護憲の壁」を崩せるかが焦点となる。

「発言内容に全面的に賛同申し上げたい」。公明の北側一雄氏はこの日の憲法審で、論点整理を公表した与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)に同調した。

一方、自民の船田元氏は「閉会中審査を開くことを強く望みたい」と主張。維新の岩谷良平氏も「憲法議論に夏休みは必要ない。賛成会派のみでも(改憲案の)条文を起草し、国民投票で民意を問うべきだ」と訴えた。

閉会中審査への言及が相次いだ背景には窮屈な国会日程がある。衆院憲法審は20日が最後の定例日となるが、会期末間際の与野党攻防のあおりで開催は困難視されている。政府与党が会期延長を決断しない限り、閉会中審査で改憲案提出の環境を整えることが次善の策となる。

中谷氏は憲法審終了後、記者団に「閉会中審査と(改憲案を協議する)起草委員会を開いて議論していきたい」と述べた。昨年の臨時国会で維新と国民民主が自民に要求した閉会中審査は実現しなかったが、関係者は「あの時とは空気感が違う。改憲勢力は本気だ」と語る。

通常国会が延長されなければ自民が模索した改憲案提出は見送られる。ただ、閉会中審査で改憲案作りが進めば秋の臨時国会以降への提出が視野に入る。

野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は閉会中審査に関して記者団に「現時点ではあまり現実的ではないと思っている」と述べた。中谷氏の説得が実らなければ森英介会長の職権で開く展開も予想される。

「今国会では起草委も設置されず、(岸田文雄首相が掲げた)自民総裁任期中の発議は不可能となった。猛烈な徒労感を覚えている。首相の政治責任が問われる事態だ」。国民民主の玉木雄一郎氏は衆院憲法審でこう強調した上で、閉会中審査の必要性に言及。「9月までに条文化作業が全く進まないのであれば総裁の職を辞すべきではないか」と述べた。(内藤慎二)