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被害把握や現地入りに新技術活用を 能登半島地震で省庁チーム検証
能登半島地震における行政の対応を検証した関係省庁チームが、道路寸断による被害状況把握の遅れや現地入りの難しさなどを課題として報告。
検証チームは被災地への進入や自治体支援、避難所運営、物資輸送などの分野ごとに課題を整理し、改善策を提示。例えば、ヘリに赤外線カメラ搭載や自衛隊による警察・消防車両の輸送体制など。
新技術の活用や避難所環境整備のための備蓄促進などにも着目し、今後は各自治体の対応力を確認するための取り組みを検討している。
![被害把握や現地入りに新技術活用を 能登半島地震で省庁チーム検証](/img/article/20240610/6666678e26837.jpg)
能登半島地震における行政の対応を検証してきた関係省庁のチームは10日、検証結果を公表した。半島で道路の寸断が相次いだ結果、被害状況の把握や現地入りに時間を要した点について改善策などが示された。
チームは現地で活動した職員200人以上からの聞き取りをもとに、(1)被災地への進入(2)自治体支援(3)避難所運営(4)物資調達輸送――といった分野ごとに課題を整理。日没直前の発災で上空からの被害確認が難航したことをふまえ、ヘリに赤外線カメラ搭載するといった改善策を提示した。
ほかにも、陸路と海路を使っての現着が難しかった警察や消防の車両を、自衛隊の航空機に載せスムーズに輸送できるよう体制を整えておくことなども盛り込まれた。
また、ドローンやヘリ輸送に適した小型機材などの新技術が有効だったとして、これらの新技術をまとめたカタログを作成。全国の自治体に活用してもらうように周知するという。
避難所環境の整備については、健康維持に必要な段ボールベッドやパーティションなどが届けられたものの十分に活用されない例があったとして、自治体にこれらを備蓄した上で住民に有効性を周知しておくことなどを求めた。今後は各自治体がどれだけ備蓄できているかを国が確認して公表することも検討している。
政府は3月、内閣官房や国土交通省や総務省、防衛省などによる検証チームを発足。今回の検証結果をもとに、今後は有識者を交えた上での議論を続ける。(大山稜)