太鼓橋背景に和服でフォトウェディング…1800年の歴史誇る住吉大社、インバウンド誘致策に注目

AI要約

住吉大社のインバウンド誘致取り組みが注目を集めている。新たにフォトウェディングを始め、外国人に神社への関心を深めたい考え。

フォトウェディング体験会では神前式や模擬結婚式が行われ、すでに2件の申し込みがあった。

訪日客の増加や大人数の宴会利用などを通じて、住吉大社の人気が復活している。

 住吉大社(大阪市住吉区)のインバウンド(訪日外国人客)誘致の取り組みに、国内外の旅行会社から注目が集まっている。今春には訪日客が婚礼衣装で写真を撮る「フォトウェディング」を新たに始めた。1800年以上の歴史を誇る神社で伝統的な神前式や大人数の宴会ができることが魅力で、外国人に神社への関心を深めてもらいたい考えだ。(梨木美花)

 5月28日、住吉大社で国内外の旅行会社向けにフォトウェディングを紹介する体験会が開かれ、約30人が参加した。境内の吉祥殿で、新郎新婦に扮(ふん)した外国人モデルが和装の色打ち掛けや羽織袴(はかま)で登場すると、参加者がスマートフォンで撮影を始めた。神前式の「模擬結婚式」も披露され、神職が祝詞を奏上し、参加者はお神酒を杯で飲む体験もした。

 フォトウェディングには、すでに2件の申し込みがあった。従来の日本人向けと違い、短期滞在の旅行者に配慮し、一日で衣装選びから撮影まで終わることを売りにする。国宝の本殿、太鼓橋とも呼ばれる反橋(そりはし)を背景に撮影もできる。

 体験会は旅行会社に広くPRしてもらう目的で実施した。参加者はこの日、フォトウェディングとは別に、数百人の団体客を宴会で受け入れることができる吉祥殿の宴会場で、大人数の宴会用のビュッフェメニューも味わった。

 住吉大社を訪れる訪日客はコロナ前を上回る勢いで増えている。

 コロナ前は、宴会利用が中心で、2018、19年はそれぞれ4件あった。コロナ禍の20~22年は途絶え、水際対策が緩和された23年には再び、米国や香港から数十名~数百名規模の利用が10件あった。今年はすでに7件あり、日々の参拝者に占める訪日客の比率も高くなっているという。

 南海国際旅行(大阪市浪速区)は1月、企業の報奨旅行でフィリピンから約200人を受け入れ、吉祥殿を利用した。インバウンド営業部の西野孝部長代理は「大阪では大人数が使える宴会施設はホテル以外ほぼない」とし、神社のような特別な場所を会場にする「ユニークベニュー」として今後も活用したいという。