奥川浩彦の「撮ってみましたF1日本グランプリ 2024」(前編)

AI要約

2023年のF1日本グランプリは春開催となり、桜が満開となるなど新たな雰囲気を楽しめた。

金曜日のFP1では、様々なエリアからマシンの撮影を行い、晴天の中で効果的な写真を撮影することができた。

しかし、金曜日のFP2では予想外の雨に見舞われ、マシンの走行が限られた状況下での撮影となり、消化不良の結果となってしまった。

奥川浩彦の「撮ってみましたF1日本グランプリ 2024」(前編)

 Car Watch創刊の2008年から掲載している「撮ってみましたF1日本グランプリ」は新型コロナで2年お休みを挟んで、今回で15回目、プチアニバーサリーとなる。先日、63歳となり「25回は絶対にないな、20回も難しそう」と思っている。ほぼ毎回同じ書き出しだが、過去記事を読んでいる人はご存じのとおり、この記事はさして役に立たない話が多い筆者の私的な撮影記。個人のブログといった感じなのでご了承いただきたい。それでも、サーキットへのアクセス、レース撮影など、何か1つくらいお役に立つ情報があれば幸いだ。

■ 桜の咲く春開催となったF1日本グランプリ

 2023年のF1日本グランプリから約半年。今年のF1日本グランプリは春開催となった。

 振り返れば過去2004年、2019年に台風で土曜日の開催が中止になった。2010年は土曜日午前のセッションは行なわれたが、午後の予選は雨で中止となった。いつかF1の決勝が雨で中止になる日が来るなら、それは日本グランプリだろうと心配していた。

 筆者の心配は外れ、2021年ベルギーGPの決勝が、セーフティカー先導で3周走って終了。公式には周回数1周となっているが、事実上の決勝中止となった。全国からF1ファンが集まった日本グランプリが同じ状況になったらと考えると、ゾッとするような出来事だった。秋=台風シーズンの開催は天候の影響を受けやすかったので、この点において春開催はリスクの軽減になるだろう。

 加えて秋はWEC(FIA世界耐久選手権)、MotoGPなど国際レースが集中している。WECとMotoGPは同じ日に開催されたこともある。観戦する側は日程の面に加え、コスト面の負担が集中するのも痛い。時期がズレていればF1、WEC、MotoGPをすべて観戦したい人もいると思う。この点でもF1の春開催はメリットとなる観戦者がいるだろう。

 F1日本グランプリ春開催を祝うように桜が満開となった。日本人以上にこれを歓迎したのは海外メディアだ。コースサイドで唯一の桜はS字のカメラマンエリア(土手)の最上段付近。過去に報道カメラマンを見たことのない場所に、国内外の大勢のカメラマンが集まっていた。

 筆者も3パターンで桜+F1を撮影した。カメラマンエリアの最上段でS字に進入するマシン、その対面付近のS字のインフィールド側で通常より広角気味にして流し撮り、S字2つ目の背景に桜を入れる3パターンだ。いずれも、なんとか桜を入れましたといった印象だ。

 どうでもよい話だが今後数十年、日本グランプリが春開催となるなら、どこに桜があると撮りやすいかを考えてみた。逆バンク側から撮ったボツ写真から2枚。1枚目の左端に写っているのはS字2つ目のインフィールド側のポスト。2枚目はポストの向かって右側の看板と鈴鹿の市街が背景に写っている。この看板の後ろは舗装されたサービスロードでやや道幅が広い。このサービスロードのフェンス際に桜の木が並ぶと、逆バンクに進入するマシンの背景に桜を写すことができそうだ。報道エリアはもちろん、観客席からもD1席の最前列付近で撮ることができるだろう。

 来年のF1日本グランプリの決勝日は4月6日。2024年とほぼ同じだ。海外のF1関係者は来年も桜が咲く時期にレースが行なわれると期待しているだろう。日本人はうすうす気付いていると思うが、近年は桜の咲く時期が早めで、2024年はたまたま遅咲きの桜と日本グランプリが重なった。

 調べてみた。気象庁の過去の開花日、満開日、2024年の開花日、満開日から鈴鹿に近い名古屋と津の過去10年の開花日、満開日を表にしてみた。

 2024年の満開日は名古屋が決勝日と同じ4月7日、津が4月2日。2023年の満開日は2024年の決勝日より10日以上早い3月27日。過去10年で4月に満開日があるのは4回。確率的には4月のF1日本グランプリは葉桜の可能性が高い。2025年も桜が遅咲きであることを期待したい。

■ 木曜日から取材

 水曜日の深夜に川崎のオフィス兼住居から名古屋の自宅へ移動。木曜日はライターの笠原氏と9時に名鉄堀田駅で待ち合わせ鈴鹿へ。平日、国道23号は混んでいて東名阪の鈴鹿ICはすいているため伊勢湾岸道→東名阪道を通り鈴鹿ICからサーキットへ。

 2024年もメディア受付はデグナー東ゲート付近のMEDIA ACCREDITATION CENTER。サクッと取材パスを受け取り、名古屋で取材がある笠原氏を白子駅で降ろし、国道23号を四日市方面へ。遠回りして開通した中勢バイパスを初走行してサーキットに戻り西パドックにクルマを駐め、シャトルバスでサーキット入りした。

 メディアセンターに機材を搬入し、ピットウォークが開催中だったのでピットロードへ。ピットはすごい人。特にフェラーリ、レッドブルのピット前は近づくのが困難なほどだった。

 グランドスタンド裏のGPスクエアも木曜日とは思えない人。春休み中で親子連れが多い印象。これも春開催の効果か。過去、木曜日は搬入中のお店もあったが、すでに販売を開始している店が多いと感じた。

 例年、木曜日は機材の搬入日で、ついでにピットウォークやグランドスタンド裏のGPスクエアをチラ見するだけだが、2024年は取材が2件。1つ目はレッドブルVIPラウンジ「Red Bull Front Row(レッドブル・フロントロウ)」。

 昼過ぎに逆バンクからデグナーに向かうNIPPOコーナー(昔のダンロップコーナー)、E1席のデグナー側、シケインのQ2スタンドの対面付近に設営された2階建てのレッドブル・フロントロウを訪ねた。記事はF1開催中の隙間時間に写真の選択や執筆をして土曜日に掲載された。

 2つ目は「Honda RACING Gallery(レーシングギャラリー)」。場所は観覧車のすぐ近く。取材時間の15時に合わせ、GPスクエアを抜けレーシングギャラリーを訪問した。

 歴史を飾ったホンダF1マシンが展示されていて、説明を加えるに際し「セナがベルガーにトップを譲ったのはシケインを立ち上がってから?」など記憶があいまいな部分は、川崎に戻って保存してある昔の映像を確認しながら執筆した。

 取材を2つ済ませて西パドックの駐車場を出る際に渋滞を確認。伊勢湾岸道で事故があり9kmほど渋滞。この時点では東名阪道が早そうだったので、鈴鹿ICから東名阪道を名古屋へ。

 伊勢湾岸道の渋滞は解消せず、四日市JCTを直進するも、東名阪道も平日夕方の渋滞が長くなり、Googleマップは桑名ICで降りて、伊勢湾岸道の湾岸桑名ICから事故渋滞に突っ込むルートを提案。迷いつつ桑名ICを降りて伊勢湾岸道へ。途中、国道23号が流れていたので湾岸桑名ICをスルーして1つ先の湾岸長島から伊勢湾岸道の渋滞に合流。事故現場はその少し先。ほどなく渋滞は解消し名古屋にたどり着いた。

 この日は1987年からず~っとF1観戦を続けている高校の同級生と、恒例の前夜祭という飲み会。取材で鈴鹿サーキットを出るのが遅れ、さらに渋滞に巻き込まれて遅刻しての参加となった。

■ 2024年の撮影機材

 今回のF1日本グランプリは、デジタルカメラマガジンからもお仕事をいただいていて、RF200-800mm F6.3-9 IS USMとEOS R6 Mark IIを使用して撮影を行なった。フルサイズの撮像素子で焦点距離200-800mmは、EOS R7のAPS-Cに換算すると125-500mm相当。サーキットではこれ1本で多くのシーンをカバーできる万能レンズだ。

 EOS R6 Mark II+RF200-800mm F6.3-9 IS USMと手元にあるEOS 7D Mark II+EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMのサイズ感を比べてみよう。さすがに望遠端800mmのレンズはデカい。ただ、ぶっつけ本番で撮り始めたが、一脚を使用しての撮影は、重さもバランスも違和感はなく、普通に撮ることができた。

 スペック的に気になるのはF6.3-9というF値。望遠端の800mmではF9.0となるので、高速シャッターを切ろうとするとISO感度を上げる必要がある。そこは高感度ノイズの少ないフルサイズミラーレスのボディが救ってくれる印象だ。

 以前、執筆した記事のカメラの設定についてSNSでコメントがあったので、ピクチャースタイルを紹介しよう。筆者はピクチャースタイルのユーザー設定を2つ登録している。1つは晴れ用、もう1つは曇り・雨用。

 2つの設定で共通するのは忠実設定をベースにしていることとシャープネスの設定。忠実設定は地味な画像となるが、ノイズが少なめな印象。シャープネスは強さが7段階あり、デフォルトの0を6にしている。5段階の細かさとしきい値はデフォルトの2を3にしている。シャープネスは効果があり“カチッ”とした絵となる。

 晴れ用の設定は色の濃さをデフォルトの0から+1とし、コントラスト、色合いはデフォルトの0のまま。曇り・雨用の設定はコントラストをMaxの+4、色の濃さを+3としている。

 ただし、これがベストかと問われると「よく分からない」。仕事で撮り始めた十数年前にいろいろ試してこの設定にたどり着いたが、カメラの進歩もあるし、好みもあるし、現状は困っていないので継承している、といった感じだ。当然、お勧めするつもりはない。そもそもトリミングやレタッチを前提として撮影しているので、フォトギャラリーに掲載する写真は、撮ったままとは異なっている。

 ピクチャースタイル以外の設定は、発売中のデジタルカメラマガジン6月号で紹介しているので、気になる人は参考にしていただきたい。

■ レース開催日の中勢バイパスは?

 金曜日は毎年同行している周辺機器メーカー時代の同僚Kさんと、自宅近くの名鉄堀田駅で6時30分に待ち合わせ。名古屋高速から伊勢湾岸道に入りみえ川越ICへ。平日なので国道23号の渋滞を避け「四日市・いなばポートライン」へ。すぐに23号に合流せず高架をくぐって線路を越えJR四日市駅前を通過し、県道6号から国道23号に戻った。

 この日の目的は、開通した中勢バイパスをレース開催日に走ること。前日の昼ごろはすいていたが、はたして。国道23号からスロープを上り、気持ちよく中勢バイパスに入るも、しばらくすると渋滞。その後も信号のたびに渋滞し「従来ルートの方が早くね?」という状況だった。レースのためにできた道路ではなく、地元の物流、生活のための道路としては有効だと思うが、レース開催日の利用は疑問符となった。翌日、中勢バイパスを通らない従来ルートとドラレコの映像を比較すると2分ほど従来ルートが早かった。

 元々開通していた野田西交差点には、翌日からの通行制限のためにバリケードとパイロンが用意されていた。ここから先、土日は白子駅とサーキットを結ぶシャトルバスの専用道となる。ちなみに、翌日は国道23号から中勢バイパスに入るところから通行止めとなっていた。

■ 電子チケット

 開門前のデグナー東ゲートでKさんを降ろし、西パドックの駐車場に向かう途中で、西ストレートゲートのトイレに寄り、ついでに筆者が購入したチケットで入場手続きを行なった。金曜日の観戦者は5万人。5万分の1の貢献だ。翌日以降も毎朝西ストレートゲートで入場手続きをした。

 西パドックの駐車場からシャトルバスに乗り移動。関係者ゲートの入口には、いつもどおりドライバー待ちの人たち。こうしたファンのおかげもあって、多くのF1関係者が「日本のファンは素晴らしい」とコメントしてくれるのだろう。感謝、感謝。

■ 金曜日のFP1は2コーナーから逆バンクで撮影

 金曜日午前のFP1は一般の観戦エリアから撮影。RF200-800mm F6.3-9 IS USMの焦点距離200-800mmで、どれくらいの大きさにマシンを写せるかがテーマだ。パドックからS字トンネルを抜け、ダイヤル錠を開けてD5席スタンドへ。2コーナーへ向かう途中、D5席とC席の間のカメラマンエリアの土手は最上段付近に桜の木が数本あって、国内外の報道カメラマンが集まっていた。

 最初の撮影は2コーナーのポストの上、大きなフェンスが切れているところから2コーナーのクリッピングポイント付近を撮る。定番スポットなので前も後ろも望遠レンズを持った人が大勢いる場所だ。F1開催時の金曜日はグランドスタンドの指定席を除き自由席扱いとなる。土日は指定席となり望遠レンズの使用はできないため、2コーナーからS字進入と並行するC席スタンドは多くのカメラマンが集まる。

 金曜日は撮影しない観戦者も指定席エリアに入れるため、ヘアピンの指定席を買った人が2コーナーで観戦したり、逆バンクの指定席を買った人がシケインで観戦したりできるので、人気の観戦席は金曜日の午前中とは思えない混雑ぶりだ。

 このセッションの予定は2コーナーからS字、逆バンクまで移動して撮りたい。FP1は以前は1時間30分だったが現在は1時間。2023年のFP1は同じ2コーナーからスタートして、C席とD5席の間のカメラマンエリアで終わってしまったので、各撮影ポイントをサクッサクッと撮り終えたい。

 2コーナーのクリッピングポイント付近を抜けるマシンを、望遠端の800mm、シャッター速度1/500秒で撮影開始。スタンド中段から800mmで撮った元画像とレタッチした画像を掲載しよう。

 レタッチした画像は横3840ピクセルでトリミング。それを1920ピクセルにリサイズしている。リサイズしなければ4Kディスプレイの横幅となる。

 C席スタンドをS字方向に移動。スタンド最下段の金網付近はカメラマンがビッシリ並んで撮影していた。このC席スタンドの金網は2023年までは一般的な緑色だったが、今年は黒色に塗装されていた。黒色にすることで金網越しの撮影で色被りがなくなり撮影しやすくなる。あらためてスマホで撮った写真、レッドブルVIPラウンジの取材写真、SNSにアップされた観戦客の写真を見ると、東コースの全域の金網が黒く塗装されたようだ。素晴らしい。

 C席スタンドのS字側、筆者は中間通路の少し下、金網の上ギリギリから撮れる位置でまわりに人のいない空間を探して、短いストレートからS字に進入するマシンを焦点距離324mm、シャッター速度1/160秒で撮影。S字進入の左ターンに対し、イン側からの撮影、シャッター速度はやや速めの1/160秒なので、マシンの先端からリアウイングまでブレの少ない(=芯の大きな)絵を撮ることができる。

 撮り始めて数分でウィリアムズのサージェントが逆バンクの立ち上がりのNIPPOコーナー、レッドブルVIPラウンジ付近でクラッシュし赤旗。セッション時間は進むも、走行のない時間に隣のカメラマンエリアの土手に移動した。

 カメラマンエリアの土手、最上段に立つと桜の枝が頭の上から目の前に伸びる。マシンを大きく撮ると桜をフレームに入れるのが難しそうなので、フレームの上半分が桜、下半分がコースというレイアウトで撮ることにした。残り20分ほど、セッション再開を待ってシャッター速度1/200秒で気持ちは桜をメインに撮影した。桜を撮ったあとは、土手の中段に降りてS字に進入したマシンを焦点距離455mm、シャッター速度1/125秒で撮影。

 セッション残り時間10分。ダッシュで逆バンクへ。D1席最上段のカメラマンエリアにたどり着くとセッションは残り4分弱。逆バンクのカメラマンエリアは左右に広く、場所により撮れる絵は異なるが、撮影ポイントを選ぶ時間はないので、カメラマンエリアの右端の隙間で撮影開始。

 まずはS字から逆バンクに進入してくるマシンを望遠端の800mm、シャッター速度1/640秒で撮影。絵的に面白くなくフォトギャラリーには掲載しなかったので、トリミングなしリサイズした画像を掲載しておこう。800mmでこれくらいの大きさとなる。

 セッション終了。チェッカーを受けたマシンは1周回って、ホームストレートでスタート練習をしてピットに戻る。撮影チャンスは残りわずか。焦点距離400mm、シャッター速度を1/125秒にして流し撮りでFP1は終了となった。焦点距離を変更して撮り分ける時間はなかったので、フォトギャラリー掲載時はトリミングを変えて2枚掲載した。

 ちなみに、逆バンクはコーナーのアウト側からの撮影となる。どちらの写真もヘルメット付近はブレの少ない“芯”となっているが、フロントウィングなど離れた場所はブレている(=芯が小さい)。流し撮りはコーナーのイン側、アウト側でシャッター速度の設定を変えるなど、芯の大きさを意識して撮影していただきたい。

 セッション終了後、同級生2人と合流。購入した指定席の確認に向かった。「大正解」「完璧」と3人納得の席だった。2023年12月に販売されたF1チケットは「つながらない」を解消する待合室方式に変更され、最初から席の指定が可能となった。チケット発売の前日にLINEでどの席を購入するか、例年にない協議を行なった。一般的に待合室方式の必勝法は多くのブラウザを用意して、最短時間が表示されたブラウザで購入すること。PC 3台で臨んだ作戦は功を奏し、希望の席を購入することができた。

 どうでもよい話だが、パドックに戻ると無料の焼き鳥屋さんが閉店していてガッカリした。パドックのセキュリティゲートを抜けた右側、レストランSUZUKAZE(F1開催時はメディアセンター)の脇にキッチンカーが2台出店していて、どちらも無料。1つは焼き鳥屋さん、もう1つはたこ焼き屋さん。2023年も出店していたらしいが、筆者はその存在に気付かなかった。

 木曜日からお世話になっていて、金曜日もパドック入りして朝から焼き鳥&たこ焼きだったが、FP1終了後に焼き鳥は完売していた。聞くと土日は倍の材料を用意するとのこと。実際、決勝が終わり表彰式を撮影してパドックに戻った際も営業は続いていた。

■ 雨で消化不良のFP2

 記憶では木曜日段階の天気予報は日曜日が雨となっていた。確認不足で金曜日に雨が降ることは想定していなかった。FP2は130Rとデグナーに囲われたエリアから撮影を開始する予定で、セッション前にコースを1周してくれるシャトルバスに向かった。が、突然の雨。メディアセンターにカメラのレインカバーを取りに戻る。筆者と同様、多くのカメラマンが戻ってきた。ポンチョ、上下のカッパ、長靴はクルマに置いたまま。小雨なのでカメラのレインカバーだけ持ってバスに乗った。

 130Rのポストは背が高く、ポストの下で雨宿り。ほどなくブラッド・ピット主演のF1映画の撮影車両の走行が始まった。映画の概要は「ブラッド・ピット F1 映画」で検索していただきたい。おそらく2025年以降の公開となるが楽しみだ。

 余談だがF1映画と言えば「ラッシュ/プライドと友情」が有名だが、筆者のお勧めは「Grand Prix」。内容は富士スピードウェイの歴史に関する記事を参照いただきたい。

 FP2は始まったが誰も走らない。10分過ぎにハミルトンがコースインするも、そのままピットへ戻ってしまった。その後もパラパラとコースインするマシンはいたがセッションを通じて走行車両は少なめ。調べてみるとFP1の周回数の合計は384周。クラッシュしたサージェントの10周を除くと、最少はボッタス、ストロールの17周、最多はハミルトン、ピアストリ、ガスリーの23周。各ドライバーは平均20周ほど周回していた。これに対しFP2の周回数の合計はわずか71周、FP1の2割以下だ。タイム計測できたドライバーは5人、コースインするもノータイムが8人、未出走が7人。最多はFP1で岩佐歩夢選手にシートを譲ったリカルドの9周だった。

 マシンが走らないと写真は撮れない。たまに走るマシンを撮影ポイントを変えながら撮るが、撮れ高は少なめ。消化不良のFP2となった。

 お仕事は終了。メディアセンターを出て西パドックの駐車場へ向かうシャトルはサーキット道路で渋滞。遠い駐車場も2年目となると、多少の渋滞は許容範囲と感じられる。20分ほどで駐車場に到着。Kさんをデグナー東ゲート付近でピックアップし、ライターの笠原氏を白子駅に送り、県道6号を利用して四日市へ。

 金曜日は平日の帰宅ラッシュとF1観戦者が重なるのでもっとも渋滞する。近鉄白子駅で笠原氏を降ろしたのが17時53分。四日市市内は国道23号も県道6号も渋滞していたので、JR塩浜駅前を通過するルートを選択し18時33分にJR四日市付近で国道23号に合流。混雑はしていたがそこそこ流れていたので、そのまま国道23号を利用して伊勢湾岸道みえ川越ICの料金所を18時48分通過。名古屋高速、呼続ランプには19時11分に到着した。

 金曜日は、ぶっつけ本番で使用したRF200-800mm F6.3-9 IS USM+EOS R6 Mark IIは何も問題なし。FP2で撮れ高が少なかったのは、土曜日、日曜日のセッションで取り戻したい。前編はここまで。予選の行なわれた土曜日、決勝の行なわれた日曜日の様子は後編でお届けしたい。