インドから輸入しているホンダWR-Vが大ヒット! 日本市場の「常識」が変わるかもしれない

AI要約

ホンダが2024年4月22日に、「新型SUV『WR-V』受注状況について」というリリースを発信した。新規投入車種として2024年3月22日に正式発売となったのがWR-V。累計受注台数が当初計画の4倍以上の1万3000台になっている。

セールススタッフによると、Xグレードが圧倒的に受注が集中しており、Xはリーズナブルな価格設定でありながら、基本装備や内容がZやZ+グレードと変わらない。現在半年待ちとのこと。

売れ筋のボディカラーはプラチナホワイトパールとされているが、実際にはクリスタルブラックパールが圧倒的に多い。Xやブラックパールが注目される理由を解説。

インドから輸入しているホンダWR-Vが大ヒット! 日本市場の「常識」が変わるかもしれない

 ホンダが2024年4月22日に、「新型SUV『WR-V』受注状況について」というリリースを発信した。新規投入車種として2024年3月22日に正式発売となったのがWR-V。リリースによると、4月22日時点での累計受注台数が当初計画の4倍以上となる1万3000台になったとのこと。

 このリリースが発信される2、3日前に自宅最寄りのバス停で20分ほどバスを待っていたところ、立て続けにWR-Vが筆者の前を通り過ぎて行った。発売後約1カ月でたまたまなのかもしれないが、けっして大都会とは呼べない筆者自宅そばで見かけることに、どこか「勢い」を感じていたので、今回のリリースに裏付けを得た気分でいる。

 リリースによると、3つあるなかでのグレード構成比では、もっとも多いのが中間ともいえるZで55%とのこと、ついで最上級ともいえるZ+(プラス)で30%、そしてX(15%)となっていた。ところが、筆者が発売後に某ホンダカーズ店(ホンダ系正規ディーラー)でセールススタッフに聞いたところでは、「圧倒的にXグレードに集中しており、Xだけご注文をいただいてから半年ほど納車までお待ちいただくことになります」と聞いた。ちなみにXグレード以外では、2~3カ月ほどで納車できるのではないかとのことであった。

 WR-Vはそもそもヴェゼルとほぼ同サイズながら、Xグレードで車両本体価格が209万8000円というリーズナブルな価格設定が注目されていた。セールススタッフによると、支払総額でも300万円以下に収まるというのだから、トールタイプの軽自動車のカスタム系モデル並みかそれ以下の予算で購入することができる。

 しかも、Xグレードでもホンダセンシング、オートエアコンなど、基本装備はZやZ+グレードと変わらない内容となっている。それでは上位グレードとの違いはというと、アルミホイールやルーフレールなど、加飾装備が追加になる程度なので、そこもXグレードに受注が集中している理由という説明を受けた。

 リリースでは、人気ボディカラーはプラチナホワイトパールとなっている。これも販売現場で聞くと、「クリスタルブラックパールが圧倒的に多い」とのことであった。セールススタッフは、「じつはWR-Vには5色設定されていますが、クリスタルブラックパール以外はオプション、つまり有償色となります」と、クリスタルブラックパールが人気となっている背景を話してくれた。

 たまたま話を聞いたディーラーの売れ筋がXやブラックパールになっていたのかもしれないが、Xは昨今では稀に見る「お買い得グレード」である。WR-Vはインドから完成車を輸入して販売しており、インドでは「エレベイト」の車名で販売されている。そのエレベイトの最廉価グレードとなるSV(MT)の車両価格は116万9000ルピー(約216万円)となっている。ただし、このSVグレードではホンダセンシングが標準装着されていない。

 インドから完成車を輸入し、しかもホンダセンシングが標準装備となる日本でのWR-VのXグレードはCVTとなっており、それで209万8000円は破格な価格設定といえると同時に、定価で販売したとしても利益がそれほど望めないのは明らか。アルミホイールやルーフレールなど、アクセサリーを装備し、付加価値の増したZやZ+が販売の中心にならないと、たとえWR-Vがヒット車となっても、ホンダが満面の笑みを浮かべることは難しいように見える。

 Zグレードでカーナビ、ドラレコ、ETC、フロアマット、サイドバイザーを装着しても支払総額で325万円程度、ホンダN-BOXのカスタム系でも320万円ほどになるのも珍しくないということなので、断トツで買い得感が高いのは間違いない。