バイデン・習両氏を名指し、ウクライナ大統領が和平サミット出席訴え

AI要約

ウクライナのゼレンスキー大統領は和平構想を話し合う首脳会議への出席を求め、ロシア軍の攻撃が激化している状況を訴えている。

ロシア軍の空爆によりウクライナのハリコフ市で大きな被害が出ており、国際社会から激しい非難を受けている。

ウクライナは主要7カ国首脳会議やスイスの和平会議、中国との国際会議など様々な場で和平のための取り組みを行っており、ロシアに対する圧力を強めている。

(ブルームバーグ): ウクライナのゼレンスキー大統領はバイデン米大統領と中国の習近平国家主席に、和平構想を話し合う首脳会議への出席を求めた。ロシア軍はウクライナ北東の国境近くで軍備を強化し、空爆を活発化させている。

ウクライナのクリメンコ内相が26日に明らかにしたところによると、ロシア軍は25日にハリコフの大型ホームセンターを爆撃し、少なくとも12人が死亡。43人が負傷し、16人以上が行方不明という。買い物客でにぎわうホームセンターは、爆撃で起きた火災で1万平方メートルが焼けた。

この攻撃はウクライナの同盟国の怒りを招き、軍事援助の強化を求める新たな声につながっている。

ロシアのミサイルは23日にもハリコフの出版社に着弾し、従業員7人が殺害された。

ゼレンスキー大統領はバイデン大統領と習近平国家主席を名指しした上で、「いまだ世界的な和平サミットの取り組みに背を向けている世界の指導者に訴える」と発言。「国連憲章が焼かれることをわれわれは望まない」と述べた。

イタリアで開催される主要7カ国(G7)首脳会議に合わせ、スイスは6月15ー16日の日程でウクライナ和平に関する会合を予定している。

ブルームバーグ・ニュースが報じたところによるとG7首脳の何人かはこれに参加するが、バイデン氏もハリス副大統領も出席の予定はない。バイデン氏はG7サミットの後はロサンゼルスに飛び、15日にハリウッド俳優のジョージ・クルーニー氏やジュリア・ロバーツ氏、オバマ元大統領らが参加する大規模な資金集めイベントに出席する。

一方の中国はブラジルと手を組み、スイス会合に対抗する構想を24日に発表。ウクライナとロシアの両方が参加する国際会議の開催を呼び掛けた。

ウクライナはクレムリンに圧力をかけるための措置で同盟国と合意したいと考えているため、ロシアのプーチン大統領はスイスの会議に招待されていない。

「交渉の場でロシアにうそをつかれた経験で、ウクライナの右に出る国はない。この戦争を準備しておきながらロシアは平然とうそをついていた」とゼレンスキー氏。プーチン大統領が2022年のウクライナ侵攻を計画していないと繰り返し述べていたことに言及した。