シティとHSBC、週5日出勤対象者増やす-規制変更控え

AI要約

ウォール街の金融機関が従業員に在宅勤務を認める手続きが規制変更で厄介になったため、シティグループ、HSBC、バークレイズが週5日出勤を命じる方針を発表。

規制変更によりリモート勤務が制限されるなか、企業は社員にオフィスへの出勤を求める一方、ハイブリッド型勤務を残す選択肢も残す。

米金融取引業規制機構の規則変更によってリモート勤務の制限が導入され、銀行業界は方針を見直す必要が出てきた。

(ブルームバーグ): ウォール街の金融機関が従業員に在宅勤務を認める手続きが規制変更で厄介になるとして、シティグループとHSBCホールディングス、バークレイズはより多くのスタッフに週5日出勤を命じている。

シティは23日の発表資料で、これまでリモート勤務を認めてきた米従業員約600人に対し、フルタイムでオフィスへの出勤を義務付けることを明らかにした。ただ、それでも大半の社員はハイブリッド型勤務を継続し、週2日までは社外で働くことができるという。

HSBCでは、規制変更はニューヨーク在勤者の約半数に相当する約530人のスタッフに影響するため、選択肢について話していると、米国・米州の人事責任者メイベル・ライアス氏はインタビューで語った。同氏によると、HSBCはできるだけ多くの従業員に自宅からログインできる選択肢を残そうと努めている。HSBCの地域担当責任者は、全行員に対して一律に週5日出勤を義務付けることは回避できると述べている。

バークレイズは23日遅くの文書で、世界の投資銀行スタッフ数千人に週5日オフィスで勤務するか、もしくは顧客訪問することを6月1日から義務付けると明らかにした。この決定に先立ちブルームバーグは、同行がより多くの米国スタッフに対し週5日出勤の義務付けを検討していると報じていた。同行は「新しい規制方針」に合わせた決定だと説明した。

3行は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の後もリモート勤務継続を認めていたことからウォール街で最も柔軟性の高い銀行として知られる。今回の変更は、米証券業界の主要な規制機関である米金融取引業規制機構(FINRA)が、今後数週間以内に職場監視規則をパンデミック前の方式に戻す予定を受けたものだ。

FINRAの規則変更は、多くの銀行トレーダーや一部のディールメーカーにとってリモート勤務の終わりを意味する可能性がある。FINRAの枠組みの下でリモート勤務を許可することは手間やコストに見合わないと管理職が判断するからで、ドイツ銀行などは、自社の方針変更を検討する中で負担の大きさを見極めている。