値ごろな米、増える需要 米穀店の9割「調達に苦戦」 一部で欠品も

AI要約

米穀店の仕入れに影響を及ぼしている米の需給逼迫の影響について緊急調査が行われ、9割近くの店舗が調達に苦戦していることが分かった。

米は家庭消費の拡大や外食産業の回復により需要が高まっており、値頃な食材として注目を集めている。

米穀店では在庫不足が問題となり、8割弱の店舗が在庫に不安を抱えている状況。一部店舗では欠品も発生しており、混乱が広がっている。

値ごろな米、増える需要 米穀店の9割「調達に苦戦」 一部で欠品も

 米の需給逼迫(ひっぱく)が、米穀店の仕入れに影響を及ぼしている。業界団体は緊急調査を実施し、調達に苦戦する米穀店が9割に迫ることが分かった。米は物価高騰下の節約志向を受けた家庭消費の拡大や外食の回復で需要が急速に高まる。仕入れが追い付かずに一部欠品する米穀店が出るなど混乱が広がっている。

 米は値頃な食材として注目度が高まり、家庭用の販売が伸びている。飲食店といった業務需要も、新型コロナウイルス禍からの回復が進んで堅調だ。

 スーパーなどと比べて小規模経営の米穀店で欠品が目立つ。米穀店で組織する日本米穀商連合会(日米連)は危機感を強め、4月30日~5月15日に会員の米穀店にアンケートを実施。約300件の回答を得た。

 米穀店の米の仕入れ状況を聞いたところ、「仕入れが大幅に減っている」「仕入れが減っている」を合わせて85%に上った。「問題なく仕入れている」は15%と限定的だった。

 在庫水準について聞くと、「現状の需要に対応できる在庫がない」が30%を占めた。2024年産の出回り本格化までもたず、「数カ月分の需要に対応できる在庫しかない」が46%で、合計で8割弱の米穀店が在庫に不安を抱える。

 欠品している店舗も目立ち、兵庫県の米穀店は「十分な調達ができず、終売を決めた銘柄もある」と話す。